天敵・バンカー植物法による施設栽培ナスのワタアブラムシ防除

タイトル 天敵・バンカー植物法による施設栽培ナスのワタアブラムシ防除
担当機関 (独)農業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 1999~2001
研究担当者 大矢愼吾
長坂幸吉
発行年度 2001
要約 アブラムシ類の天敵コレマンアブラバチの代替寄主ムギクビレアブラムシをバンカー植物コムギに寄生させてハウス内に導入すると、コレマンアブラバチが代替寄主で増殖し、ナスのワタアブラムシを効率的に防除することができる。
キーワード ワタアブラムシ、天敵、コレマンアブラバチ、バンカー植物、代替寄主
背景・ねらい 環境に調和した持続的な農業実現のため、環境負荷を軽減した各種防除技術を組み合わせた総合防除技術の開発が求められている。アブラムシ類の天敵コレマンアブラバチの安定的な防除技術を開発するため、施設栽培ナスのワタアブラムシに対して、コムギ(バンカー植物)に寄生したコレマンアブラバチの代替寄主ムギクビレアブラムシをハウス内に導入し、天敵を放飼する天敵・バンカー植物法によるワタアブラムシの防除効果を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
コレマンアブラバチは休眠現象がなく、発育零点(4.7℃)が低いので西南暖地の秋冬期の施設栽培ナスのハウス内(13℃加温)で天敵として機能する。
2.
コレマンアブラバチの1雌当たりマミー形成数はムギクビレアブラムシでは200~250個、ワタアブラムシでは300~450個となる。ハウス内のムギクビレアブラムシでは1雌当たり50~60個となり、広い空間ではマミー形成数が減少する(表1)。
3.
天敵単独区ではコレマンアブラバチ放飼4週間後までワタアブラムシの密度が増加するが、放飼次世代成虫が羽化して、6週間後にワタアブラムシを防除することができる(表2、3)。
4.
天敵・バンカー植物法はアブラムシ接種3週間後にワタアブラムシを防除することができる(表2)。
5.
天敵・バンカー植物法は春期のワタアブラムシ増殖好適時期においても、効率的にワタアブラムシを防除することができ、施設栽培ナスにおける天敵の安定的な利用技術といえる。
成果の活用面・留意点 1.
代替寄主ムギクビレアブラムシはコムギ、オオムギ、エンバク、ライ麦等麦類で良く増殖することができる。麦類は播種10~14日後にムギクビレアブラムシを定着させることによりバンカー植物とすることができる。
2.
代替寄主で増殖したコレマンアブラバチの密度が高くなりすぎると、バンカー植物上の代替寄主ムギクビレアブラムシの密度が低下するので、天敵の高密度時には代替寄主へのコレマンアブラバチの寄生を抑制するため、バンカー植物の一部を網で覆う等の工夫が必要である。
3.
各地域の施設栽培においてアブラムシ類の発生消長を把握し、ハウス内へアブラムシ類が侵入する2週間前に天敵・バンカー植物法によって天敵を導入すると、アブラムシ類を効率的に防除することができる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009284
カテゴリ 大麦 施設栽培 総合防除技術 なす 播種 防除 ライ麦 わた

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