傾斜地カンキツ園における園内雨水利用システム

タイトル 傾斜地カンキツ園における園内雨水利用システム
担当機関 四国農業試験場
研究課題名
研究期間 1998~2001
研究担当者 中尾誠司
吉川弘恭
森永邦久
長谷川美典
発行年度 2001
要約 本システムでは、園内の雨水を取水・集水し、太陽電池ポンプによって揚水したのち、落差により自動かん水装置を用いてかん水できる。これにより、水源や商用電源のない傾斜地カンキツ園における水資源確保と利用の省力・自動化が可能になる。
キーワード 傾斜地カンキツ園、雨水利用、取水、集水、自動かん水、省力、自動化
背景・ねらい 傾斜地カンキツ園では、かんがい用水が得られにくく、水管理に多大な労力を要しており、水資源確保および利用の省力化・自動化が求められている。そこで、園内の雨水を取水・集水し、太陽電池ポンプおよび自動かん水装置等を用いた雨水利用システムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 降雨によって畑面や園内道から流出した雨水は、園地中央部の取水装置で捕捉され、地下に埋設された導水管(内径40mm)を通って、園地末端に設置した2基の集水タンク(約5.7トン/基)に貯水される(図1)。
  2. 集水は、太陽電池ポンプによって園地最高部に設置した給水タンクにポンプアップされ、タンクが満水になると自動的に揚水を停止する。
  3. 給水タンクの水はかん水コントローラおよび電磁バルブにより、設定した日時に園地内の落差を利用して各ブロックへ自動かん水される。
  4. マルチ(340㎡)が敷設された場合、60mm程度の降雨量があれば集水タンク(約11.4トン)は満水にできる(図2)。
  5. 本システム導入モデル園(園地面積約18a)では、夏期(7~8月)に約29トンのかんがい用水が必要である(かん水量5L/樹/回、週3回かん水、樹数244本)。この期間に150mm程度の降雨があれば、必要用水が確保できる(図2)。
  6. モデル園(園地面積約18a)におけるシステム導入コスト(園内道およびマルチ資材費を除く)は約100万円である。その内訳は、集・給水タンク約33万円、太陽電池ポンプ約33万円、かん水および配管資材費約34万円である。
成果の活用面・留意点
  1. 本システムは、水源や商用電源のない傾斜地カンキツ園の省力・自動化水管理技術として適用できる。
  2. 取水量は、園内道占有面積などの園地構成要素、導水管の口径、取水口と集水タンクのレベル差などによって異なる。また、導水管および送配水管は破損や劣化などを防ぐため、地中に埋設するのが望ましい
  3. 本システムの導入モデル園では、点滴かん水方式を採用している。その他のかん水方式を導入する場合や、対象園地の規模、植栽品種・樹齢等によって必要用水量は異なるので、集水タンク等の規模は対象園地毎に、それら導入条件に合わせて決定する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009278
カテゴリ 傾斜地 コスト 省力化 品種 水管理 その他のかんきつ

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