砂質圃場のダイズ栽培におけるFOEAS(地下灌漑システム)の収量向上効果

タイトル 砂質圃場のダイズ栽培におけるFOEAS(地下灌漑システム)の収量向上効果
担当機関 富山農総セ
研究課題名
研究期間 2006~2008
研究担当者 南山恵
杉森史郎
金田宏
発行年度 2008
要約 夏の干ばつ条件下の砂質圃場において、地下灌漑システムであるFOEASを用いることにより、土壌水分の変動は小さくなる。その結果、稔実莢数や稔実粒数の確保により収量を向上することができる。
背景・ねらい 富山県のダイズ栽培では、要水量の大きい開花期後に高温少雨となる場合が多いため、水不足により着莢数が減少し、収量低下を招く要因となっている。
 そこで、新規に開発された地下灌漑システムであるFOEASを用いて、開花期後の土壌水分に及ぼす影響とダイズの収量に対する効果について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 開花期後、FOEASを用いて地下水位を一定にした試験区は、無かん水区、畦間かん水区にくらべ、土壌水分の変動が小さい (図2、一部データ省略)。
  2. 干ばつ条件下となった2006及び2007年では、FOEASを用いると、稔実莢数や稔実粒数、収量が向上する傾向が見られる (表1)。
  3. 土壌水分とダイズの収量構成要素及び収量との関係を調査すると、総節数は測定位置にかかわらず開花期後11~20日、稔実莢数、稔実粒数は測定位置が-30cmと-45cmにおける開花期後21~50日、収量は測定位置にかかわらず開花期後11~40日の土壌水分と高い正の相関が認められる (表2)。
  4. 以上のことから、干ばつ条件下で、FOEASを用いることにより、土壌水分が安定し、稔実莢数、稔実粒数及び収量を向上させる効果がある。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、幹線パイプ1本に対し、直交して補助孔である弾丸暗渠が組み込まれた圃場で行った(図1)。地下灌漑は2006年が開花期後5~53日目まで、2007年が開花期後3~64日目まで、2008年が開花期後5~64日目まで実施した。畦間かん水はpFメータ値2.7を目途とし、2007年は4回、2008年は1回行った。
  2. 干ばつ条件とした2006年と2007年は開花期後、日降水量3mm以下の状態がそれぞれ15日間、27日間続いた。一方、2008年の日降水量3mm以下の連続日数は8日間であった。
  3. 地下水位はシステムにおける設定水位であり、砂質圃場では設定水位に比べ幹線パイプ下の地下水位は低くなる。設定水位20cmでは、実際の水位は畦立前の地表面から-30~-40cm(ダイズ地際から-38~-48cm)であり、設定水位30cmでは畦立前の地表面から-40~-45cm(ダイズ地際から-48~-53cm)であった。
  4. 処理期間中、10a当たり300~480t/日の水量が必要であったことから、砂質圃場でFOEASを施工するときは、十分な用水量が確保される地域で実施する。
  5. 生育データは幹線パイプ直上でサンプリングしたものであり、幹線パイプから離れると、干ばつ条件下では土壌水分が低下する傾向にある。砂質圃場におけるFOEASの施工にあたっては、幹線パイプ等の数を他の土質圃場に比べ、増やす必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009249
カテゴリ FOEAS 収量向上 大豆

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