農地の面的集積のための農地利用調整方式の類型とその適用場面

タイトル 農地の面的集積のための農地利用調整方式の類型とその適用場面
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2007
研究担当者
発行年度 2007
キーワード 面的集積、農地利用調整
背景・ねらい 効率的かつ安定的な土地利用型農業経営を確立するためには、担い手に対する面的な農地集積を行っていくことが求められる。そのため、水田農業の担い手として個別の借地型大規模経営が広範に展開し、農地の面的集積を実現している静岡県のF市における農地管理システムを事例に、面的集積のための農地利用調整方式を類型化するとともに各方式の適用場面を提示する。

成果の内容・特徴 1.
F市における取り組みは四つの方式に類型化できる(図1,表1)。また、集落調整機能の強弱と農地流動化及び耕作地の錯綜状態の進展度合(流動化・錯綜化進展度合)の二指標から見た適用場面は各方式で異なっている(図2)。
2.
転作団地の一括委託方式とは、集落等で転作田の団地化を図った上で、その耕作を集落組織が担い手に一括委託するという方式で担い手の転作集積を推進するものである。転作団地化のための集落調整を必要とするが、利用権設定を伴わないことから、流動化・錯綜化進展度合の如何にかかわらず、集落と担い手との転作耕作に関する委託契約のみで実現できる。
3.
担当集落制方式とは、地区内の集落別に担当担い手を定め、集落を単位としたゾーニングを図った上で担当集落内での集積率を高めることで連担化・団地化を促進するものである。地区内の利用権設定による貸借の推進について、集落、農家、担い手の集団的合意を得るための強い集落調整機能を必要とする。また、流動化・錯綜化の低い段階で適用する必要がある。
4.
付加的集積方式とは、貸し出し希望農地を合理化事業や利用調整会議等の仲介・斡旋を通して最寄りに既存の耕作地を持つ担い手に付加していくことで面的集積を推進することである。合理化事業や利用調整会議等の仲介によることから集落調整は不要であり、集落機能の弱いところでも適用できる。担当集落制同様流動化・錯綜化の低い段階で適用する必要がある。
5.
借地等の交換方式とは、借地や転作受託水田等の担い手間での交換を調整機関等が介入して組織的に実施することにより、それぞれの経営耕地を団地的に再配置することである。この交換方式のうち借地の交換は、流動化が進んだ段階で適用できる。また、集落ぐるみの調整は不要であるが、事前調整に多大な手間を要するため調整機関の強力な介入や合理化法人等を経由することが必要である。なお、転作一括委託方式による転作田の耕作を交換する場合は集落組織と当該の担い手間の合意のみで容易にできる。

成果の活用面・留意点 1.
個別の大規模担い手が展開している地域で適用できる。
2.
上記の各調整を強力に推進する地域農業のトータルマネジメント組織の形成が重要である。
3.
借地型の担い手が組織化(担い手協議会、○○部会等)されていることが重要ある。
4.
農地調整の対象は水田に限定される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009046
カテゴリ 管理システム 経営管理 水田 大規模経営

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