晩生の高品質・良食味水稲新品種「てんこもり」の育成

タイトル 晩生の高品質・良食味水稲新品種「てんこもり」の育成
担当機関 富山農技セ
研究課題名
研究期間 1996~2007
研究担当者 金田宏
向野尚幸
山口琢也
小島洋一朗
石橋岳彦
土肥正幸
尾崎秀宣
表野元保
福田真紀子
宝田研
木谷吉則
蛯谷武志
発行年度 2007
要約 「てんこもり」は、富山県では晩生の早に属する粳種である。高品質・多収で、食味は「コシヒカリ」並みに良い。また、耐倒伏性が高く、直播適性に優れる。
キーワード イネ、てんこもり、晩生、高品質、良食味、直播適性
背景・ねらい 富山県の稲作は中生品種である「コシヒカリ」に作付が偏重しており、気象変動へのリスク回避や大規模経営体における作業の分散・低コスト化を図るため、早生・中生・晩生のバランスがとれた作付に改善する必要がある。そこで、高品質・多収・良食味で栽培特性の優れた晩生品種を育成し、早生の「てんたかく」と合わせて作期分散を図る。

成果の内容・特徴 1.
「てんこもり」は、富山県農業技術センター農業試験場において、1996年に短稈・良食味系統の「富山36号」(後の「来夢36」)を母に、短稈・高品質系統の「と系1000」を父として人工交配を行い、高品質・多収・良食味で栽培特性の優れた晩生品種の育成を目標に選抜を行ってきた系統である。2002年から「と系1243」の系統番号を付与し、生産力検定に供試した。2004年からは「富山67号」の地方番号を付け、現地適応性試験を実施した。
2.
「コシヒカリ」と比べ、出穂期は5日程度、成熟期は7日程度遅く、晩生の早に属する。 稈長は「コシヒカリ」より短く、耐倒伏性が高い。穂数は「コシヒカリ」よりも多い。収量性は「コシヒカリ」よりも高く、特に直播栽培で多収である(表1、表3)。
3.
玄米品質は安定して高く、特に基白・背白粒の発生が少ない。食味は「コシヒカリ」並みに良く、味度値が高い(表2、表3)。
4.
いもち病真性抵抗性はPiaを持つと推定され、葉いもち抵抗性は“中”、穂いもち抵抗性は“やや強”だが、紋枯病に対しては「コシヒカリ」よりもやや弱い。高温登熟性は「コシヒカリ」の“やや弱”に対し“やや強”である(表1、表2)。

成果の活用面・留意点 1.
2007年に富山県の奨励品種に採用され、2008年度より県内平坦地全域に普及推進する。当面の普及目標面積は500haである。
2.
「コシヒカリ」と比べ、茎数確保が容易で、籾数過多になりやすいので、過剰な施肥を避け、適度な中干しを行う。
3.
紋枯病にやや弱いので、適期防除に努める。
4.
「コシヒカリ」と比べて、葉身の枯れ上がりが少ないため、籾の黄化程度を見て成熟期を判断し、刈遅れのないよう留意する。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009021
カテゴリ いもち病 新品種 直播栽培 水稲 施肥 多収良食味 大規模経営 抵抗性 低コスト 品種 防除 良食味

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