Pythium aphanidermatum によるベニバナインゲン綿腐病(新称)

タイトル Pythium aphanidermatum によるベニバナインゲン綿腐病(新称)
担当機関 茨城農総セ農研
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 青木一美
渡邊 健
東條元昭(大阪府大)
発行年度 2007
要約 ベニバナインゲンの品種「常陸大黒」に新たに発生した立枯性の土壌病害は、Pythium aphanidermatumによるベニバナインゲン綿腐病(新称)である。
キーワード ベニバナインゲン、綿腐病、新病害、土壌病害
背景・ねらい ベニバナインゲンの土壌病害は未記載のものが多く、整理されていない。防除法を確立するためには、発生病害を明らかにする必要がある。2006年8月に茨城県常陸大宮市及び久慈郡大子町のベニバナインゲン栽培圃場で、原因不明の多くの枯死株が発生した。そこで、発生した土壌病害を明らかにし、防除対策の基礎とする。

成果の内容・特徴 1.
2006年8月に常陸大宮市八田及び久慈郡大子町頃藤のベニバナインゲン栽培圃場で発生した土壌病害は、株の地際部が薄茶色~暗緑色の水浸状の病斑を生じ、病斑の表面には白色綿毛状の菌叢を形成する。病斑部は乾燥すると褐変するが、病徴は徐々に地上部に進展し、株全体が枯れ上がる(図1、2)。罹病組織内には卵胞子と膨潤な糸状の遊走子のうが観察され、Pythium属菌が分離される(図2)。
2.
分離菌の培養菌叢を接種した土壌にベニバナインゲンを播種し、人工気象室内(気温25~30℃)でビニール被覆し加湿条件で栽培すると、10~12日後に病徴が再現され、接種菌と同一のものが再分離される。(再分離率100%;データ省略)
3.
分離菌の形態的特徴、生育温度特性、rDNA塩基配列(データ省略)は、Pythium aphanidermatumの記載とほぼ一致し(表1)、発生した土壌病害はベニバナインゲン綿腐病(新称)である。
4.
本病は水田転換畑及び普通畑の排水不良な圃場で発生する。2006年の被害は、常陸大宮市と大子町の合計で2圃場、発生面積は8aであったが、2007年は発生圃場数31、発生面積84.5aとなり、本病の発生域は増加傾向にある(表2)。

成果の活用面・留意点 1.
P. aphanidermatumは好高温性の菌であり、標高が低く栽培期間中の気温が高くなる圃場では綿腐病の発生が多くなる。
2.
排水不良な圃場では本病の発生が懸念されるため、高畦栽培を行う。ただし、綿腐病の防除技術は確立されておらず、一度発病した圃場では被害が甚大となる可能性が高いため、ベニバナインゲンの連作を避ける。
3.
綿腐病は、病斑部に綿状の菌叢が発達し、病徴が地際部に留まらず地上部に徐々に進展する。この点で、Pythium myriotylumによる茎根腐病と区別することができる。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008999
カテゴリ 乾燥 水田 根腐病 播種 品種 べにばないんげん 防除

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