タイトル | 土壌中から帰化アサガオ類の種子を効率的に回収する方法 |
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担当機関 | 愛知県農総試 |
研究課題名 | |
研究期間 | 2007~2007 |
研究担当者 |
小出直哉 野村有美 谷俊男 林元樹 遠藤征馬 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 帰化アサガオ類の種子の比重は1.31未満なので、比重1.38程度の塩化カルシウム水溶液を用いて比重選を行うことにより、土壌中に埋没している種子を効率的に回収できる。さらにこの方法は、種子の活性に影響しない。 |
キーワード | 帰化アサガオ類、種子、比重選、塩化カルシウム、発芽率、ダイズ |
背景・ねらい | 愛知県ではダイズほ場に帰化アサガオ類(以下アサガオ類)が多発しており問題となっている。このアサガオ類は、休眠性が強く、未発芽種子が土壌内に蓄積していくおそれがある。また、薬剤による防除が困難であるため、耕種的防除を組み合わせた防除体系を確立することが必要である。 そこで、耕種的防除法の基礎となる種子の土壌内蓄積量や耕起による催芽処理効果などを把握するために、土壌中に埋没している種子を効率よく、さらに種子活性に影響なく回収する方法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 愛知県で発生しているアサガオ類の種子の比重は、種類により異なるものの1.31未満である(表1)。したがって、比重1.38程度の塩化カルシウム水溶液で比重選を行うことで、土壌中の種子をすべて回収することができる。(表2)。 2. 塩化カルシウム水溶液の比重選によって回収された種子の活性は、低下しない(表2)。 3. 回収法の手順は以下の通り(図1)。 ①採集してきた土を篩に入れ、細かい砂や泥を水で洗い流す。 ②篩に残ったもの(種子、小石、土塊、植物残さ等)を塩化カルシウム水溶液 (比重1.31以上)に入れ、浮いたもの(種子、植物残さ等)を回収する。 ③浮いたもの中から目視で種子を回収する。 4. 愛知県内の大豆ほ場から採種した240個の土壌サンプルでこの回収方法を用いた結果、小石や土塊の中から種子を探す手間がなく、約2,300粒/m2のアサガオ類の種子を回収できた(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 試験に用いたアサガオ類は、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea (L.) Jacq.)、マルバアメリカアサガオ(Ipomoea.hederacea Jacq.var.integriuscula A.Gray)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba L)、マメアサガオ(Ipomoea Lacunosa L.)、マルバルコウ(Ipomoea coccinea L.)である。 2. 塩化カルシウム二水和物1.2kgを水1Lの水に溶かすと実用的な比重約1.38となる。 3. 比重選にかける前の洗い出しの篩は、種類別に適した篩いを用いると効率的に回収できる。アメリカアサガオ、マルバアメリカアサガオ、マメアサガオは2.36mm×2.36mm、ホシアサガオ、マルバルコウは1.7mm×1.7mm。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008984 |
カテゴリ | あさがお 大豆 防除 薬剤 |
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