家畜ふん尿と厨芥の混合メタン発酵消化液中大腸菌の削減技術

タイトル 家畜ふん尿と厨芥の混合メタン発酵消化液中大腸菌の削減技術
担当機関 東京都農総研セ
研究課題名
研究期間 2005~2006
研究担当者 森本直樹
発行年度 2007
要約 家畜ふん尿と厨芥を混合してメタン発酵させた場合に消化液中の大腸菌数が増加する傾向が見られるが、加熱処理、曝気処理、塩類添加処理、HRT制御により大腸菌数の低減化が可能である。
キーワード メタン発酵、家畜ふん尿、厨芥、大腸菌
背景・ねらい 近年、家畜排せつ物と厨芥・剪定枝などを混合処理する事例が急増している。特にメタン発酵処理は国内で増加傾向にあり、家畜排せつ物と厨芥とを混合してメタン発酵(以下、混合メタン発酵)処理を実施する際の安全性の確保が必要とされる。そこで、混合メタン発酵処理した場合に生じる微生物学的な安全衛生面でのリスクを評価し、安全性確保手法を確立する。

成果の内容・特徴 実験用発酵槽(容量5ℓ)を用いて各種汚水をメタン発酵処理し、発酵過程における消化液及び投入液中の大腸菌数を測定した。培養温度は38℃、水理学的滞留時間(HRT)は、15,20,30日。投入汚水は、牛ふん尿(VS4.3%,TS5.5%)、5%厨芥(食堂由来厨芥を乾燥処理したもの:VS81.7%,TS88.5%,油成分12%,C/N比13%)添加牛ふん尿(VS8.3%,TS9.5%)、豚ふん尿(VS4.8%,TS5.8%)、5%厨芥添加豚ふん尿(VS9.5%,TS10.8%)の4種類を用いた。大腸菌数の測定は希釈平板法(クロモカルトコリフォーム寒天培地)により行った。
さらに、メタン発酵処理(HRT20日条件)後の消化液を、加熱処理、曝気処理、塩類添加処理することによる、大腸菌の削減効果を検証した。
1.
牛及び豚ふん尿単体でメタン発酵処理した場合、消化液中の大腸菌数は投入時に比べ減少するが、厨芥を混合してメタン発酵処理した場合、消化液中の大腸菌数の減少は見られない(図1)。
2.
HRT延長は、家畜ふん尿単体消化液中の大腸菌に対する低減効果がある(図1)。
3.
曝気処理は、消化液中の大腸菌に対する低減効果があり、曝気量が多いほど低減効果が高い(図2)。
4.
一定時間の加熱処理は、消化液中の大腸菌に対する低減効果がある(図3)。
5.
炭酸塩の添加は、消化液中の大腸菌に対する低減効果がある(表1)。

成果の活用面・留意点 1.
混合メタン発酵処理では、家畜ふん尿に混合する材料によって、消化液中の細菌数及び細菌組成が変化する可能性があり、微生物学的な安全衛生上のリスクが高まる場合があることが判明した。
2.
混合メタン発酵消化液の安全性を確保するには、個々の事例ごとに安全衛生上のリスクを評価し、その状況に適した手法を用いて微生物学的な安全性を確保していく必要がある。
3.
消化液を曝気した際にアンモニアが発生するため、消臭対策が必要となる。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008867
カテゴリ 乾燥 メタン発酵消化液

この記事は