北陸地域に多発する大豆しわ粒の発生要因と低減化技術

タイトル 北陸地域に多発する大豆しわ粒の発生要因と低減化技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 田渕公清
関口哲生
小原洋
大野智史
亀川健一
新良力也
田村隆夫(新)
佐藤徹(新)
服部誠(新)
南雲芳文(新)
土田徹(新)
樋口泰浩(新)
市川岳史(新)
細川吉裕(富)
寺西敏子(富)
荒井清完(富)
小池潤(富)
板谷聡(富)
岡山清司(富)
沼田益朗(富)
鍋島弘明(富)
守田和弘(富)
高橋渉(富)
吉田 稔(富)
金田宏(富)
北倉芳忠(福)
笈田豊彦(福)
井上健一(福)
大山卓爾(新大)
大竹憲邦(新大)所属略号
(新):新潟県農総研
作物研究センター
(富):富山県農業技術センター
農業試験場
(福):福井県農業試験場
(新大):新潟大学農学部
発行年度 2006
要約 ちりめんじわの発生には子実肥大盛期前後の作物体の老化が関係し、施肥等による生育後半の栄養状態の改善が発生低減に有効である。亀甲じわは成熟期後の乾燥過程において発生するが、収穫時期を早めることにより抑制できる。
キーワード ダイズ、しわ粒、ちりめんじわ、亀甲じわ、落葉、収穫時期、老化
背景・ねらい 北陸産大豆は、しわ粒発生による品質の低下が最大の問題となっている。しわ粒は、子実の臍の反対側の子葉組織と種皮が収縮してぎざぎざになる「ちりめんじわ」と種皮が吸湿により亀甲状に隆起する「亀甲じわ」に大別できる。これらのしわ粒は調製・選別段階では取り除くことが難しく、栽培から収穫に至る過程でしわ粒の発生を防止する必要がある。そこで、両者の発生機構を明らかにするとともに、しわ粒の発生防止技術を開発し、北陸産大豆の品質向上と生産安定をめざす。

成果の内容・特徴 1.
ちりめんじわ粒の発生は、作物体の老化の進行が抑制されている方が少なくなる。落葉の進行を老化の指標とすると、開花期から落葉期までの日数が長い(図1a)、黄葉期頃の落葉速度が遅い(図1b)、黄葉期頃の残葉数が多い(図1c)、条件でちりめんじわ粒の発生は少なくなる。
2.
作物体の老化に対して最も影響が大きい時期は、開花期後6~7週目付近の子実肥大盛期にあり、この時期に光合成を抑制すると落葉が早まり、ちりめんじわの発生率が高まる(図2)。
3.
作物体の老化を抑制し、ちりめんじわ粒の発生を低減するには、子実肥大盛期頃の作物体の栄養状態を改善することが有効である。その方法としては、培土時のシグモイド型被覆尿素肥料の追肥、石灰窒素や被覆尿素の深層施肥、ヘアリーベッチのすき込み等による窒素栄養状態の改善、微量要素の施肥による無機栄養状態の改善、レーキ付正転ロータリによる深耕、畝立て播種等の土壌環境の改善等の地帯区分に応じた対策が挙げられる(表1)。
4.
亀甲じわは成熟期後の乾燥過程において子実水分が13%以下に低下した後の降雨や夜露等による吸湿により発生し、その後の乾燥、吸湿の繰り返しにより増加する。
5.
亀甲じわを主体としたしわ粒の発生を低減するためには、従来よりも早く刈り取りを行うことが有効で、これまでコンバイン収穫の開始時期は成熟期の数日後とされていたが、成熟期前後の子実水分が約22%程度の時期から刈り取りを開始した方が良い(図3)。

成果の活用面・留意点 1.
北陸地域の大豆品種「エンレイ」の栽培地帯に適用できる。
2.
収穫作業は軸流型大豆専用コンバインの使用を前提としている。
3.
刈取り時期の著しい早期化は、汚粒発生の危険性や乾燥コストの増大を招くので、収穫作業は子実水分を確認しながら実施する。
4.
大豆の生育時期は「大豆調査基準(議会事務局、農事試験場1975)」に準ずる。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008774
カテゴリ 乾燥 コスト しわ粒 施肥 大豆 土壌環境 播種 品種

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