FOEASの地下水位制御は大豆の根粒窒素固定、光合成を高めて増収させる

タイトル FOEASの地下水位制御は大豆の根粒窒素固定、光合成を高めて増収させる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 金谷豊
金榮厚
国立卓生
山本亮(作物研)
若杉晃介(農工研)
中山則和(作物研)
中村卓司(作物研)
中野寛(北農研)
田澤純子
島村聡(作物研)
島田信二
藤森新作(農工研)
発行年度 2006
要約 新規地下灌漑システム(FOEAS)による地下水位制御により、大豆の出芽苗立ち、光合成が向上するとともに、根粒窒素固定量は大幅に高まる。その結果、地力窒素が乏しい圃場においても増収が期待できる。
キーワード ダイズ、FOEAS、根粒窒素固定、光合成、地力窒素
背景・ねらい 大豆の安定多収化には持続的な窒素供給を可能とする地力窒素の増大が有効であるが、地力窒素の大幅な向上は水稲の食味を損ねるので、水田輪作体系では地力窒素だけに大きく依存しない大豆の生産技術の構築が求められている。また、大豆の良好な出芽苗立ちは安定生産の基本であるが、土壌水分の乾湿に大きく左右されやすい。そこで新規地下灌漑システム(FOEAS、平成15年度農工研研究成果情報)による地下水位制御によって、大豆の出芽苗立ちの安定化を図るとともに、根粒窒素固定を大きく左右する土壌水分を最適化することにより、根粒窒素固定を最大限に活かした大豆の高位安定生産技術を開発する。

成果の内容・特徴 1.
明渠、圃場傾斜化等の排水対策では、無降雨期間の土壌乾燥を簡便に防ぐことができないが、FOEASでは簡易設定により地下水位を一定に自動制御できるので、生育全般にわたって土壌表層の過湿、過乾を緩和して天候による土壌水分変動を抑制できる(図1)。
2.
地下水位制御により出芽期の過湿、過乾の双方が緩和されるため、苗立ち数はFOEASで23.1±2.94 本/m2、傾斜化圃場で16.7±0.79 本/m2(2005年不耕起播種、5反復の平均±標準誤差)となり、出芽・苗立ちが大幅に向上する。
3.
FOEASによる土壌水分の安定化により、根系活性の指標である茎基部出液速度(図略)は高く推移し、葉色とみかけの光合成速度(図2)も高い。
4.
全吸収窒素中の根粒固定由来窒素の割合を示す相対ウレイド値は、FOEASでは子実肥大期においても90%近くに達し極めて高く維持されて(図3)、根粒窒素固定量が増加する。
5.
根粒非着生系統En1282の収量が30kg/10a程度しか得られない地力窒素に乏しい圃場においても、FOEASによる土壌水分の安定化によってタチナガハの根粒窒素固定量は大幅に増大した結果、明渠排水区対比で-32cm区は20%増の約400kg/10aに達した(図4、2006年)。以上から、FOEASによる地下水位制御は大豆の高位安定生産に大きく寄与できる。

成果の活用面・留意点 1.
関東地域の強粘質灰色低地土における結果であり、地域、土壌が異なると効果が変動する可能性がある。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008729
カテゴリ FOEAS 乾燥 自動制御 水田 水稲 大豆 播種 良食味 輪作体系

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