土壌水分管理によるチューリップ球根の収量向上

タイトル 土壌水分管理によるチューリップ球根の収量向上
担当機関 富山農技セ
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 井上徹彦
池川誠司
高尾麻実
辻俊明
発行年度 2006
要約 チューリップ球根栽培において、従来の摘花後から黄葉期までの土壌水分維持に加えて、4月上旬の展葉期から摘花後までの期間も畝間灌水によりpF 2.0を目標に水分管理を行うことで、安定した球根収量を確保できる。
背景・ねらい 現在、チューリップ球根栽培では、球根生産性向上のため、球根肥大期である摘花後から黄葉期にかけてpF2.0を目安に畝間灌水が適宜行われているが、単収に年次変動がある。特に、単収減は春先の降水量が少ない年に認められるため、春先の降雨量が球根収量・肥大性に影響を及ぼしているものと考えられる。
そこで、ほ場の土壌水分管理が球根収量に及ぼす影響について明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
4月上旬の展葉期から6月の黄葉期までの土壌水分を中水分(pF2.0)で維持すると、開花2週間前から開花3週間後までの期間で水分要求量(灌水量)が高くなり、乾物重も増加する(図1)。
2.
水分要求量が高い開花2週間前から開花3週間後の土壌水分を中水分(pF 2.0)で管理すると、開花3週間後以降の土壌水分を高く維持するほど球周10cm以上の出荷球数が増加する(図2)。
3.
開花2週間前から開花3週間後の土壌水分を低水分(pF 2.5)で管理すると、開花3週間後以降の土壌水分を高く維持するほど出荷球数が増加するが(図3)、裂皮も増加する(データ略)。
4.
開花2週間前から開花3週間後の土壌水分を高水分(pF 1.5)で管理すると、開花3週間後以降の土壌水分を中水分以下に維持すると出荷球数が多くなる。しかし、開花3週間後以降の土壌水分を高水分で維持すると出荷球数が減少する(図4)。
5.
以上より、チューリップ球根栽培において、従来の摘花後から黄葉期までの土壌水分維持に加えて、4月上旬の展葉期から摘花後までの期間も畝間灌水によりpF 2.0を目標に水分管理を行うことで、安定した球根収量を確保できる。

成果の活用面・留意点 1.
この結果は、雨除けハウス内のドレーンベッド(内径98×84×H38cm)栽培のものである。
2.
雨水が停滞するほ場など排水不良田では、腐敗球の発生が懸念されるので、事前に排水対策を十分に行う。また、高温時の灌水は避け、灌水後はすみやかに排水する。
3.
開花期前の土壌水分が低い場合に、開花期後の灌水を行うと裂皮が急増するため、4月上旬までにpF計を設置するなどして、土壌水分の動向に注意する。
4.
土壌水分計は、畝の先端や肩付近を避け、畝の中央で、深さ20cmの位置に設置する。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008639
カテゴリ 収量向上 出荷調整 チューリップ

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