タイトル | 乳用牛ふんたい肥はK2O/Nにより高カリたい肥を区分できる |
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担当機関 | 茨城畜セ |
研究課題名 | |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
眞部幸子 井上雅美 吉尾卓宏 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 乳用牛ふんたい肥では、K2O/N(カリと窒素の比。以下,KN比と定義する)によりカリ含量が高いたい肥を区分できる。KN比≧1.8の乳用牛ふんたい肥は窒素・リン酸に比べカリ含量が高く、化学肥料代替の施肥設計を行うと、たい肥施用量が制限されるため窒素代替率が低い。 |
キーワード | 家畜ふん尿、乳用牛ふんたい肥、施肥設計、窒素カリ比 |
背景・ねらい | 乳用牛ふんたい肥にはカリ含量の高いものが存在し、連用により塩類が集積するため耕種農家から敬遠されている。一方で、家畜ふんたい肥の成分表示が進み、たい肥情報のデータベース化や施肥設計システムが構築されつつある。しかし、既存のたい肥の品質評価には、「たい肥等有機質資材の品質保全のための推奨基準(全農中央会)」や腐熟度の評価基準等があるが、施肥設計における肥料成分バランスに着目したものではない。たい肥の品質評価にカリ含量に関する項目を導入することで、慣行法で利用できる堆肥を区分できるとともに、高カリ含量のたい肥生産を是正することができる。以上のことより、窒素カリ比(以下KN比と表記)を検討し、高カリ含量の堆肥を区別できる目安を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 茨城県内で生産された乳用牛ふんたい肥(酪農92戸各1点)の肥料成分含量は、窒素に比べカリの方がばらつきが大きい(図1)。 2. 乳用牛ふんたい肥のKN比についてクラスター分析をすると、KN比値が1.8を境に2群に区分される(図2)。KN比≧1.8群はKN比1.8群に比べ、窒素・リン酸・カリの乾物中成分含量のうちカリのみが有意に高い(図2)。KN比≧1.8は、カリが突出して高いたい肥群の指標となる。 3. KN比=1.8によって区分された2つのたい肥群を、ハクサイ(中晩生)をモデルに茨城県野菜栽培基準の施用量に従って化学肥料代替の施肥設計を試算する。肥効率は窒素30%・リン酸80%・カリ90%とする。代替率は、窒素は基肥の50%、リン酸及びカリは総施用量(基肥+追肥)の100%を上限とする(表1)。 4. KN比≧1.8の乳用牛ふんたい肥は、高カリ含量により慣行法に比べ施用量が制限される。窒素代替率は総施用量の20%未満となり、化学肥料代替効果が小さくなる(図3)。 また、KN比≧1.8の乳用牛ふんたい肥を慣行法で施用した場合、カリの過剰投入となる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. KN比を既存の品質評価法と併用することで、たい肥生産現場での高カリ含量改善を促すことができる。 2. カリ集積による影響は作物・栽培法により異なる。KN比は作物への影響を示す指標ではない。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008591 |
カテゴリ | 施肥 データベース 乳牛 はくさい 評価基準 評価法 野菜栽培 |
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