オオメカメムシの発育段階の推移にもとづく生活史の推定

タイトル オオメカメムシの発育段階の推移にもとづく生活史の推定
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 下田武志
後藤千枝
佐藤幸恵
小堀陽一
上遠野冨士夫(同左)。
村田未果
大井田寛(千葉県農業総合研究センター)
務川重之
矢野栄二
鈴木芳人
発行年度 2005
要約 広食性土着天敵であるオオメカメムシの幼虫齢期は頭幅長を指標にして推定することができる。野外採集個体の発育段階別構成比の推移調査結果から、本種は成虫越冬で、千葉県ならびに茨城県では主に年1化し、一部の個体が年2化する生活史を有する。
キーワード オオメカメムシ、幼虫齢期推定、頭幅長、成虫越冬、生活史
背景・ねらい オオメカメムシ(Piocoris varius (Uhler))は、チョウ目、アザミウマ目、ダニ目等を捕食する広食性の捕食性昆虫で、施設栽培における新たな天敵資材としての利用が期待されているが、その生態には不明な点が多い。そこで生活史や生息場所に関する調査を実施し、本種の防除資材としての最適な利用方法の確立ならびに自然生態系の生物相に対する影響評価に資する。

成果の内容・特徴 1.
茨城県つくば市の家庭菜園ならびに雑草地で行った調査の結果、クズ、シソ、イチゴでオオメカメムシの卵、幼虫、成虫の全ステージが確認された。上記3種に加え、マメ科(フジ)、シソ科(ラベンダー)、キク科(ヒマワリ、マリーゴールド、キバナコスモス)、ブドウ科(ヤブガラシ)、ツツジ科(ツツジの一種)などの多様な植物上で、幼虫と成虫双方の生息が確認された。
2.
オオメカメムシの幼虫期は5齢あり、室内飼育個体の頭幅長は各齢で重ならない(表1)。
3.
オオメカメムシの野外採集幼虫の頭幅長は室内飼育個体で得られたデータの範囲にほぼ納まり、頭幅長に基づく齢期推定が可能である。
4.
2004年に茨城県つくば市ならびに千葉県東金市、2005年につくば市のクズを主体とする雑草地で叩き落とし法による調査を実施し、頭幅長をもとにした幼虫齢期推定によってオオメカメムシの発育段階別構成比の季節的推移を明らかにした(図1)。
5.
12月、3月、4月に行った枠法による調査において、クズ雑草地およびその周辺のリター層で越冬中の成虫を確認した。これらの結果から、千葉県と茨城県ではオオメカメムシは成虫越冬し、主に年1化であるが一部は年2化であると推定される(図2)。

成果の活用面・留意点 1.
本成果は、オオメカメムシの適用作物の選定や放飼条件設定の基礎資料として活用できる。
2.
オオメカメムシは平成18年度現在、天敵製剤としては未登録であるが、今後数年以内の農薬登録を予定している。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008481
カテゴリ いちご カメムシ きく コスモス 雑草 施設栽培 しそ 土着天敵 農薬 ひまわり ぶどう 防除 マリーゴールド ラベンダー

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