タイトル | 脱皮ホルモン系IGR剤に対するチャノコカクモンハマキの薬剤抵抗性 |
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担当機関 | 静岡茶試 |
研究課題名 | |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
小杉由紀夫 小澤朗人 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 静岡県内のチャノコカクモンハマキには、脱皮ホルモン系IGR剤に対する強度の薬剤抵抗性が発達させた個体群がある。テブフェノジド剤およびクロマフェノジド剤を供試した場合、抵抗性個体群の感受性系統に対する抵抗性比は100倍以上である。 |
キーワード | チャ、チャノコカクモンハマキ、IGR、脱皮ホルモン、薬剤抵抗性 |
背景・ねらい | 静岡県内の牧之原地区では、近年、チャノコカクモンハマキの多発傾向が続いている。現地ではハマキムシ類に対して脱皮ホルモン様活性化合物のIGR剤がよく使用されているが、これら脱皮ホルモン系殺虫剤の防除効果の低減が指摘されている。そこで、チャノコカクモンハマキの脱皮ホルモン系IGR剤に対する薬剤感受性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 島田市湯日個体群では、テブフェノジド水和剤、クロマフェノジド水和剤およびメトキシフェノジド水和剤の常用濃度における処理10日後の補正死虫率は、それぞれ66.7%、25.1%および88.9%である(表1)。 2. 菊川市倉沢個体群では、テブフェノジド水和剤、クロマフェノジド水和剤およびメトキシフェノジド水和剤の常用濃度における処理10日後の補正死虫率は、それぞれ100%、88.9%および53.9%である(表1)。 3. テブフェノジド水和剤、クロマフェノジド水和剤およびメトキシフェノジド水和剤における半数致死濃度(LC50値)は、島田市湯日個体群でそれぞれ172.7ppm、4103.1ppmおよび11.1ppmであり、菊川市倉沢個体群ではそれぞれ9.4ppm、8.7ppmおよび28.8ppmである(表2)。 4. 島田市湯日個体群の感受性系統に対する抵抗性比(R/S比)は、テブフェノジド水和剤、クロマフェノジド水和剤およびメトキシフェノジド水和剤において、それぞれ338.6倍、5003.8倍および15.4倍であり、薬剤抵抗性の発達は明らかである(表3)。 5. 島田市個体群の抵抗性比は、過去の数値に比べて上昇傾向にある(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 脱皮ホルモン系IGR剤の防除効果の低減が疑われる地域では、薬剤感受性が低下している可能性が高いので同系統の薬剤の使用を控え、他系統の剤に切り替える。また、トートリルア剤や顆粒病ウイルス剤などの生物的防除資材も活用する。 2. 個体群によって抵抗性レベルが異なると考えられるので、脱皮ホルモン系IGR剤の実用性については地域ごとに判定する必要がある。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008370 |
カテゴリ | 生物的防除 抵抗性 防除 薬剤 |
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