ハイブッシュブルーベリーの効率的挿し木増殖技術

タイトル ハイブッシュブルーベリーの効率的挿し木増殖技術
担当機関 群農技セ
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 堀込 充
岡田智行
畠山雅直
剣持伊佐男
発行年度 2005
要約 挿し木発根率の低いハイブッシュブルーベリーの休眠枝挿しにおいて、ミスト散水装置と鹿沼土・ピートモス等量床土を装備した簡易増殖用ハウス内で挿し木することによって発根率、発根量が大幅に高まる。発根性の低い品種では、更に挿し木床を温める処理によって発根率、発根量を高めることができる。
キーワード 簡易増殖用ハウス、ハイブッシュブルーベリー、休眠枝挿し、挿し木床加温処理
背景・ねらい ブルーベリーの栽培では開園や改植に多額の苗木購入費がかかることから、自家増殖が許されている品種の場合、コスト低減のため生産者自らが挿し木増殖を行うことが多い。また生産許諾を受けた苗木生産者も挿し木増殖を行っている。しかし発根特性は品種によって異なり、簡易かつ安定的に挿し木増殖を行う方法は十分に確立されていない。そこで簡易な増殖用施設を考案し、挿し木発根率の低いハイブッシュブルーベリーの挿し木方法を開発する。

成果の内容・特徴 1.
簡易増殖用施設は、パイプハウス内にタイマー付きミスト装置と鹿沼土・ピートモス等量培土を設けた簡単な構造である。地上高2.0mの位置にミスト散水ノズルを1.0m間隔で付けたパイプを設置し、散水はタイマーをつなげた電磁弁で制御する。パイプ内で停留して高温になった水が散水されないよう、下部に自動水抜き弁を装備する(図1)。
2.
鹿沼土とピートモス(酸度未調整)の等量混合した用土を、育苗箱に深さ10cmに充填して挿し木床とする。
3.
簡易増殖用ハウスで挿し木した場合、従来の露地トンネルでの挿し木法と比べて、挿し木発根性の低い品種では、発根率、発根量が向上する(表1)。
4.
挿し木時期は3月中下旬とし、挿し穂の挿入は穂木の2分の1が隠れる程度の深さとする。挿し穂の長さは慣行の10cmで良いが、苗木本数を確保したい場合は、5cm程度まで短くしても良い(表2)。
5.
挿し木発根性の低い品種では、育苗箱の下に25℃に設定した電熱マット(100V)を敷く挿し木床加温処理(以下温床処理)を行うことによって、床温が3~8℃上昇し、挿し木の発根率、発根量が向上する(表3)。

成果の活用面・留意点 1.
ミスト散水は、挿し木の開始当初から新梢の伸長期には、日中(午前7時頃~午後5時頃)、1時間間隔の1分間散水とし、6月上中旬(伸びた新梢が硬化し始める時期)以降は散水間隔を長めにして、天候に注意しながら2時間間隔の1分間散水に切り換える。
2.
増殖用ハウスは完全に密閉すると、穂木が蒸れて枯死する場合があるので、サイドの裾を開けて、風通しを良くする。ただし風でミストが流されないように配慮する。
3.
ハウスの規模が間口5.4m、長さ12.0mの場合、挿し木苗約3,000本の養成が可能である。またハウスの原材料費では、ハウス資材が約11万円、かん水用資材が約13万円、挿し木用ベンチ一式が約24万円である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008298
カテゴリ 育苗 改植 挿し木 低コスト 苗木生産 品種 ブルーベリー

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