鶏舎における鶏ふん中の尿酸態窒素の分解抑制法

タイトル 鶏舎における鶏ふん中の尿酸態窒素の分解抑制法
担当機関 三重科技セ
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 原 正之
小阪幸子
巽 俊彰(畜産研究部中小家畜G)
佐々木健二(畜産研究部中小家畜G)
発行年度 2005
背景・ねらい 高窒素含有鶏ふん堆肥の安定生産は、鶏ふんの有機肥料としての利用促進を図るうえで有効な手段と考えられる。これまで、配合飼料で飼育した採卵鶏の新鮮鶏ふんの全窒素量は約6%、内50%(30mg/g)が尿酸態窒素として安定的に存在すること、鶏ふん堆肥の窒素の肥効率は堆肥中に残存する尿酸態窒素量と相関が高いこと、一連の堆肥化過程における尿酸の分解には蛍光性シュードモナス属細菌が関与し、均一な高温発酵管理が可能な縦型密閉式発酵装置では尿酸態窒素の分解活性を著しく制限できるため、5日間の堆肥化期間において投入された生ふん中に含まれる尿酸態窒素の堆肥化段階における分解率を5%未満にすることが可能であることを明らかにしてきた。しかし、鶏舎滞留期間中における尿酸態窒素の分解については、鶏舎排出ふんの含水率と尿酸態窒素の日分解量の間に正の相関関係があることは明らかにしてきたが、分解抑制条件については明確にされていなかった。そこで、ウインドウレス鶏舎での設置率が高いふん乾燥装置による分解制御法及び効果について明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
ふん搬出用ベルトコンベアーの材質を水分拡散効果の高い布素材とすることで、慣行のゴム素材に比べて滞留ふんの含水率では3~5%程度の低減効果があり、尿酸態窒素の1日当たり分解量を20%程度低減できる。(図1)
2.
ふん乾燥装置風量を通常設定量(8L/min/羽)の2倍量とすることで、鶏舎からの排出ふん含水率を通常風量に比べて5~10%低減できる。この時、ふん中に含まれる尿酸態窒素の1日当たりの減少量は、0.6mg/gと通常風量の約1/4に減ずることができる。(図2)
3.
ふん乾燥装置の設置及びその風量増によりふんの含水率が低下しても鶏舎内粉塵の増加は認められない。一方、臭気成分であるアンモニア濃度の低減効果は大きい(表1)。
4.
ウインドウレス鶏舎においてふん乾燥装置風量を16L/min/羽に設定し、5日間隔で除ふんし、密閉縦型発酵装置で5日間堆肥化を行ない製品とする場合、一連の行程における尿酸態窒素の総損失量は5mg/g以下であり、新鮮鶏ふん中の尿酸態窒素含有量の85%以上が残存する高窒素製品堆肥の生産が可能である。

成果の活用面・留意点 1.
ふん乾燥装置における尿酸態窒素の日分解量及び含水率変化は、通常のウインドウレス鶏舎の管理温度(平均気温23.2℃、湿度75%)での目安数値であり、夏期、冬期や多湿条件においては検討が必要である。
2.
ふん乾燥装置は、通常鶏舎外空気を取り込む場合が多いが、夏期を除き、乾燥効率及び分解速度の安定性を考慮した場合、鶏舎内空気を用いる方が望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008295
カテゴリ 乾燥 除ふん

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