単為結果性トマト‘ルネッサンス’の遺伝特性を利用した省力栽培技術

タイトル 単為結果性トマト‘ルネッサンス’の遺伝特性を利用した省力栽培技術
担当機関 愛知農総試
研究課題名
研究期間 2000~2004
研究担当者 加藤政司
大薮哲也
矢部和則
発行年度 2004
要約 ‘ルネッサンス’は、省力で効率的な施肥法、摘果、6段摘心及び粗植を組み合わせた栽培体系により、作業時間を短縮し、果実品質の安定した栽培が可能となる。
キーワード 単為結果性、トマト、省力栽培
背景・ねらい トマト栽培では、輸入量の増加が続き、また、生産者の高齢化が進み、雇用労力を含めた女性の就農者が増加しつつある。国際競争が激化する中、規模拡大を進め、労働生産性の高い雇用労力中心の企業的経営体へ発展するには、徹底した低コスト、省力技術の導入が必要である。特に、トマトのホルモン処理作業は、労働負担が大きく空洞果等商品性を低下させること、マルハナバチ利用は農薬の選定や価格が高いことなどの問題点が指摘され、優れた形質を持つ単為結果性トマトの導入効果は大きいと考えられる。そこで、当場とサカタのタネで共同育成した‘ルネッサンス’の単為結果性及び生育特性を解明するとともに、着果安定と果実肥大促進するための省力的な栽培管理技術を確立する。
成果の内容・特徴 1.
‘ルネッサンス’は、低温寡日照期の促成栽培、高温期の雨よけ栽培などいずれの栽培環境条件においてもホルモン処理や受粉作業をしなくても安定して着果肥大する(表1)。
2.
‘ルネッサンス’の果実肥大を促進するための省力で効率的な施肥法は、ロング180日(N成分2kg/a)+ロング40日(1.5kg/a)と、肥効特性の異なる肥効調節型肥料を組み合わせ、初期の肥効を高めると収量増となる(表2)。
3.
‘ルネッサンス’の草姿管理としては、各果房第2~5番果までの4果を残して摘果することで、無摘果と比較して1果重が20g以上増加する。4~6段の摘心段数では、着果率、果重に差がなく安定した収量性を示す。栽植密度は、慣行より約20%粗植とすることで1株当たりの受光量が増加し、糖度が高まり、果重が重くなり、慣行と同程度の良果収量が得られる(表3)。
4.
‘ルネッサンス’を用いた、省力で効率的な施肥法、摘果、6段摘心及び粗植を組み合わせた栽培体系は、慣行栽培よりホルモン処理作業が省略でき、全作業時間で約4.5時間/a削減できる(図1)。現地実証においても、慣行栽培よりやや収量が低下するものの、品質、果実の大きさとも安定する。また、経営試算では、マルハナバチが不要となり、糖度の高さや食味の良さを生かした契約販売により出荷経費が削減できるため、588千円/10aのコスト削減が可能となる。秀品率が高く、販売単価が向上するため、粗収益が369千円/10a増加し、農業所得が2,498千円/10aと慣行栽培と比較して62%増となり、実証農家の評価は高い。
成果の活用面・留意点 1.
本栽培法は、促成栽培の6段栽培程度と比較的短期間の栽培に適応する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008065
カテゴリ 規模拡大 経営管理 コスト 栽培技術 栽培体系 出荷調整 受粉 施肥 単為結果 低コスト トマト 農薬 マルハナバチ 良食味

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