とげなし性長卵形ナス新品種‘とげなし紺美(こんび)’の育成

タイトル とげなし性長卵形ナス新品種‘とげなし紺美(こんび)’の育成
担当機関 愛知農総試
研究課題名
研究期間 1996~2004
研究担当者 恒川靖弘
菅原眞治
長屋浩治
矢部和則
発行年度 2004
要約 安定したとげなし性を示し、上物収量が多く、果皮のつやが良い長卵形のナス品種‘とげなし紺美’を育成した。本品種の利用によりナス栽培の快適化が可能となる。本品種は特にハウス促成栽培で品種特性を発揮する。
キーワード ナス、とげ、快適化栽培
背景・ねらい ナス栽培品種には、果実のへた、葉、茎に鋭いとげが発生し、栽培管理作業等を不快にし、作業性の低下を招いている。そこで、本県の消費嗜好に適した長卵形のとげなしナスを育成し、栽培の省力快適化を図る。
成果の内容・特徴 1.
育成経過
とげなし性を有する‘FREIA’(デリュータ社;オランダ)と、へたが黒く長卵形の‘千両2号’(タキイ種苗)、‘美男’(渡辺採種場)を育成素材として用いた。1996年に‘FREIA’に‘千両2号’を交雑し、選抜・固定を進め、その後代から2000年に固定系統‘ASL-2’を選抜した。同様に‘FREIA’に‘美男’を交雑し、選抜・固定を進め、その後代から固定系統‘ASL-3’を選抜した。2001年から両者間のF図1)。
2.
とげなし性
‘とげなし紺美’は、作型や窒素施肥量、接ぎ木の有無、台木品種に関わらず、へた、葉、茎などどの部位にもとげが発生しない(図2)。
3.
果実形質
果実は太みのある長卵形である。果皮は黒紫色でつやが良い。ハウス栽培などでは冬期に色が淡くなりやすい。果実硬度が高いため、日持ち性が優れている(図2)。
4.
収量性
‘千両’と比較し、低温期の収量が多く、春以降は少ない。日焼け果など障害果が少ないため、上物率は収穫期間を通して高く安定している(図3、4)。
5.
省力・快適化効果
整枝摘葉及び収穫作業時間は、とげがない上、側枝の発生が少ないため、‘千両’の約80%で省力的である。とげによる痛みもなく作業の快適化が図られる。
成果の活用面・留意点 1.
‘とげなし紺美’の導入により省力快適化栽培が可能となり、雇用確保・規模拡大を進めることができる。
2.
低温期の収量・品質が優れているため、ハウス促成栽培に適している。
3.
春以降、草勢が弱くなりやすいため、過度の摘葉を避け、追肥、かん水等により草勢を維持する。
4.
ハウス栽培では冬期の果皮色が淡くなりやすいため、整枝、摘葉により採光性を向上する。
5.
果皮色が淡く果実が硬いため漬け物への利用は不向きで、果肉が緻密な点を活かした、揚げる、焼く、炒めるなどの調理に適している。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008064
カテゴリ 規模拡大 栽培技術 障害果 新品種 施肥 台木 接ぎ木 なす 日焼け果 品種

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