ホウレンソウの硝酸塩・シュウ酸塩濃度の品種間差異と季節変動

タイトル ホウレンソウの硝酸塩・シュウ酸塩濃度の品種間差異と季節変動
担当機関 神奈川農総研
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 河田隆弘
吉田誠
上西愛子
曽我綾香
北浦健生
北宜裕
野村研
発行年度 2004
要約 ホウレンソウに含まれる硝酸塩濃度の品種間差異は、春・秋作で小さく冬・夏作で大きい。一方、シュウ酸塩濃度の品種間差異は冬作で大きい。また、晩生で葉色が濃い品種ほど硝酸塩濃度はより低く、シュウ酸塩濃度はより高い傾向を示す。
キーワード ホウレンソウ、硝酸塩濃度、シュウ酸塩濃度、品種間差異、季節変動
背景・ねらい ホウレンソウの硝酸塩濃度低減化技術の開発に関連して、硝酸塩濃度が遺伝形質として評価できるかどうかを検証するため、雨よけハウスにおいて国内外の約200品種を同一条件(N 10kg/10a)で、春夏秋冬の年4作栽培し、草丈25cm時でサンプリングしたときの硝酸塩濃度の変動を、硝酸塩と同時定量可能なシュウ酸塩濃度と関連づけて明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
硝酸塩濃度の品種間差異を硝酸塩濃度別品種度数で見ると、春作及び秋作では変動幅がそれぞれ300~560mg/100FW及び210~600mg/100gFWと小さく、シャープな分布を示すが、冬作及び夏作での変動幅はそれぞれ90~860mg/100gFW及び34~940mg/100gFWとより幅広い分布を示す(図1-A)。なお、硝酸塩濃度の全品種の平均値はいずれの作期とも約400mg/100gFWとなるものの、全体の傾向として西洋系品種の方が東洋系品種より低い値を示す。
2.
シュウ酸塩濃度の品種間差異をシュウ酸塩濃度別品種度数で見ると、春作、夏作及び秋作では変動幅はそれぞれ680~1100mg/100FW、530~1180mg/100gFW及び390~960mg/100gFWと小さく、シャープな分布を示すが、冬作での変動幅は700~1620mg/100gFWと幅広い分布を示す(図1-B)。なお、全体の傾向として東洋系品種の方が西洋系品種より低い値を示す。
3.
硝酸塩及びシュウ酸塩濃度の変動幅が大きい冬作では、品種別の栽培日数に対し硝酸塩及びシュウ酸塩濃度はそれぞれ負及び正の相関関係を示し、晩生品種ほど硝酸塩濃度はより低く、シュウ酸塩濃度はより高くなる(図2-A)。
4.
また、同じ冬作で、品種別の葉身の葉緑素含有量(葉色)に対しても、硝酸塩及びシュウ酸塩濃度はそれぞれ負及び正の相関関係を示し、葉色が濃い品種ほど硝酸塩濃度はより低く、シュウ酸塩濃度はより高くなる(図2-B)。
成果の活用面・留意点 1.
硝酸塩濃度については、窒素肥料の施用量に敏感に反応して上下するので、多肥にならないよう留意する。
2.
硝酸塩濃度とシュウ酸塩濃度は相互に負の相関関係を示し、とくに冬作ではその品種間差異がより大きくなるため、栽培地の気象条件に最も適した品種を選定する。また、夏作では抽だいに注意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010008028
カテゴリ 季節変動 春作 品種 ほうれんそう

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