鉢花用フランネルフラワーの育成

タイトル 鉢花用フランネルフラワーの育成
担当機関 岐阜農技研
研究課題名
研究期間 1998~2003
研究担当者 宇次原清尚
発行年度 2004
要約 フランネルフラワーはオーストラリア原産のセリ科の植物で、日本へ自生種が切花として輸入されているものの、鉢花用の矮性種は原産国でも育成されていない。オーストラリアから導入した矮性の系統から、選抜育種した系統は、鉢花として利用が期待できる。
キーワード フランネルフラワー、オーストラリア原産、矮性、鉢花
背景・ねらい 鉢花生産は、毎年新しい品目・品種が出されているが、価格が低迷し、生産環境は非常に厳しくなっている。そこで、オーストラリア原産の野生花で、品種登録・商品化されていない種類の中から有望な系統の選抜・育成を行い、新品目の鉢花を作出する。
成果の内容・特徴 1.
育成経過
1998年オーストラリア連邦、ニュー・サウス・ウエルズ州、ゴスフォード園芸研究所との共同研究により、育成中の矮性系統の挿し木苗を導入した。その内の1個体から自家受粉により採種し、選抜を繰り返し、矮性で鉢花に向く系統を選抜し育成した。
2.
品種の特性
(1)
株高は、一番花開花時で自生種が33cmに対し、育成系統は15cm程度で、鉢花として適する(表1、図2)。
(2)
育成系統、自生種ともに花径は7cm程度の総包花で、10枚の白色の花弁(ガク片含む)からなり、その先端は緑色を呈する(表1、図1)。
(3)
自生種が、春一季咲きであるのに対し、育成系統は四季咲きである。
(4)
土壌は酸性土壌が適し、pHが5.5より高い土壌では生育が極端に悪くなる(表2)。
(5)
種子は自家受粉で採種できる。育成系統は挿し木による発根が極めて低く、挿し木による増殖は効率的ではない(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
日本で始めて育成された品目で新規性があり、新しい鉢物として期待される。
2.
育苗には、時間がかかるので管理には十分注意する。
3.
品種登録出願予定である。
カテゴリ 育種 育苗 挿し木 受粉 せり 品種