タイトル | 陽イオン交換容量に基づく交換性陽イオンの診断基準値の算出式 |
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担当機関 | 千葉農総研 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
安西徹郎 八槇 敦 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 土壌モニタリング調査による現地ほ場の交換性陽イオンの現状と、黒ボク土の野菜に対する陽イオンの診断基準値から策定した、CECの異なる土壌に対応した陽イオンの基準値の算出式である。 |
キーワード | 交換性陽イオン、土壌診断、診断基準値、CEC |
背景・ねらい | 黒ボク土では野菜栽培に対する交換性陽イオンの診断基準値を新たに明らかにしたが、陽イオン交換容量(CEC)の低い褐色森林土や褐色低地土については検討していない。土壌モニタリング調査によると、これらのCECが低い土壌では、黒ボク土の基準より高い陽イオン飽和度で作物が栽培されている。CECによって陽イオン飽和度の基準値は異なるので、モニタリング調査による現地実態と黒ボク土の基準値から、各種土壌(CEC)に対応した交換性陽イオンの診断基準値を算出する式を策定する。 |
成果の内容・特徴 | 1. モニタリング調査の畑土壌(277地点)では、CEC(x)が低いほ場で陽イオン飽和度(y)は高く、y=0.0358x表1)。同様に20meでは92%、10meでは118%と計算される。 2. pH6.0~6.5が生育に適正とされる好微酸性作物(野菜など)では、1式によるあるCECの陽イオン飽和度を基準値の中央値とし、表1の各陽イオンの飽和度割合を適用して基準値の算出式を策定した(表2)。この式からCECが10meのときのCaO、MgO、K表1と同じに、CaOの基準値は20~40%に低くした。 3. モニタリング調査結果をECで区分して、陽イオン飽和度が100%のときのpHを比較すると、EC(x)が高いとpH(y)は低く、y=8.74E-5x図2)。 4. 好微酸性作物では、CECが35meの陽イオン飽和度の基準は50~86%であり、2式から補正pHは6.2~6.7、10meでは6.7~7.5となると推定される。一方、好弱酸性作物では、CECが35meで補正pHは5.9~6.4、10meで6.4~7.3とあり、基準値にしたがって管理されるとCECが低いときにはpHが高くなることが推測される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. この基準値は新たな土壌診断システム(2003年度開発予定)で使用する。 2. この基準値は当面使用することとし、今後の試験によってCECが低い土壌における交換性陽イオンの適正範囲が明らかにされた時点で新しい基準値に改定する。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007757 |
カテゴリ | 土壌診断 モニタリング 野菜栽培 |
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