初期発育に優れた黒毛和種雄子牛の人工哺乳方法

タイトル 初期発育に優れた黒毛和種雄子牛の人工哺乳方法
担当機関 愛知農総試
研究課題名
研究期間 1998~2003
研究担当者 森下忠
瀧澤秀明
大橋秀一
松井誠
石井憲一
発行年度 2003
要約 黒毛和種雄子牛を人工哺乳する際に、段階的に哺乳量を増加させることで、自然哺乳産子(5か月間哺乳)と同等の発育を得ることができる。また、離乳前に哺乳量を減らすことで、養分摂取を液状飼料から固形飼料へと順調に移行させることができる。
キーワード 家畜、ウシ、肉用牛、黒毛和種、子牛、人工哺乳
背景・ねらい 近年、乳牛の借り腹による受精卵移植や、和牛繁殖農家における早期の母子分離により、黒毛和種産子が人工哺乳される事例が増えている。黒毛和種産子の人工哺乳では、代用乳の定量哺乳が一般的だが、哺乳から育成初期にかけての発育が自然哺乳に比べ劣る。そのため、育成期に濃厚飼料を多給する傾向にあり、市場出荷時点で過度の脂肪蓄積になる恐れがある。そこで、初期の発育に優れた黒毛和種雄子牛の人工哺乳方法を検討する。
成果の内容・特徴 黒毛和種雄子牛16頭を供試し、自然哺乳区(5か月間哺乳:5頭)、定量哺乳区(哺乳期間中に代用乳300g×2回/日で定量給与:3頭)及び多給哺乳区(表1のとおり哺乳量を増加:8頭)の3通りの人工哺乳方法について、20週齢までの発育及び飼料摂取状況を比較したところ次の結果を得た。ただし、自然哺乳区では子牛用の隔柵を設けて母牛の飼料と分離して子牛用飼料を給与、他の2区では単飼による管理である。
1.
多給哺乳区は、自然哺乳区と同等の体重増加や体高の伸びを示す(図1、2)。また、胸囲についても同様な推移を示し、人工哺乳でも段階的に哺乳量を増加させることで、自然哺乳と同等の発育を得ることができる。
2.
濃厚飼料の摂取量は、自然哺乳区に比べ定量哺乳区及び多給哺乳区で、4週齢頃から多くなる(図3)。平均離乳日齢は、定量哺乳区で60日、多給哺乳区で50日である。多給哺乳区では、哺乳量の減少とともに飼料摂取量が増え、養分摂取を液状飼料から固形飼料へと順調に移行させることができる。
3.
定量哺乳区と多給哺乳区の下痢の発生は、それぞれのべ頭数で4週齢まで0頭、2頭、4~8週齢で1頭、3頭であり、4週齢までは多給哺乳区でやや多い。多給哺乳区での下痢の場合、一時的に哺乳量を減少させることで速やかに改善できる。
成果の活用面・留意点 1.
人工哺乳される黒毛和種雄子牛の初期発育を改善することで、育成期の濃厚飼料多給を防止し、良質な素牛が生産される。
2.
黒毛和種雌子牛については、離乳のタイミングなどさらに検討が必要である。
3.
多給哺乳時には下痢の発生に注意し、食餌性の下痢の場合は哺乳量を減らす。自動哺育システム(哺乳ロボット)へ応用する場合は、下痢の原因の診断を精密に行う。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007516
カテゴリ 出荷調整 受精卵移植 肉牛 乳牛 繁殖性改善 ロボット

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