タイトル | 畦間被覆作物によるトウモロコシ畑のワルナスビ防除 |
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担当機関 | 千葉畜総研 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
細谷 肇 米本貞夫 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 5月中~下旬のトウモロコシ播種において、同時に青刈ダイズを散播して高密度のリビングマルチとすると、ワルナスビおよび在来雑草に対して顕著な防除効果が認められる。 |
キーワード | 青刈ダイズ、生態的防除、被覆作物、リビングマルチ、ワルナスビ |
背景・ねらい | 飼料畑では強害外来雑草の蔓延が全国的な問題となったが、中でもワルナスビは有効な除草剤がない難防除雑草である。トウモロコシ播種直後の土壌処理剤散布により在来雑草の発生を抑制し畦間に空間が確保されることが、薬剤耐性のある強害雑草の蔓延を逆に助長すると考えられる。この対策として薬剤に拠らない生態的防除法を確立するため、作物播種と同時に散播し畦間を被覆するリビングマルチを導入し、有望な被覆作物を検索する。 |
成果の内容・特徴 | 1. リビングマルチとして導入した青刈ダイズは、収穫時まで畦間をよく被覆し、土壌処理区(慣行法)に対しワルナスビ防除効果が有意に高い(表1、表2)。密植すると(播種量1.5kg/a)、メヒシバやヒユ類など在来1年生雑草の発生も少なく、栽培の安定性がさらに高まる(表2)。防除効果と収量性の均衡から被覆作物としての適性に最も優れる。 2. 飼料カブは、葉が展開して生育初期から畦間を被覆する効果が高い。気温の上昇する7月末から8月には枯死して消失するので、収穫時には作業機への負荷がない。土壌処理区に対しワルナスビ防除効果が有意に高いが(表1、表2)、トウモロコシの減収が有意であり(表1)、実用性に難がある。 3. ヘアリーベッチは、在来1年生雑草の畦間優占により生育初期に消失し、春播きでは被覆作物としての効果が期待できない(表1)。 4. ソバは、畦間被覆効果が高くワルナスビを顕著に抑制するが、トウモロコシの減収も著しく、実用的でない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ワルナスビが除去困難な圃場で在来雑草を含めた防除が必要である場合や、除草剤を使用しない有機栽培を実施する場合に活用を検討する。 2. 5月中~下旬の播種における成果であるため播種時期が異なる場合での有効性、ワルナスビの拡散程度あるいは草勢の違いと防除効果の関係等について検討の余地がある。またトウモロコシの減収の有無について、さらなる精査が必要である。 3. 青刈ダイズは、収穫時に畦間に繁茂するため収穫作業機への負荷を考慮する必要がある。一方、播種密度が不足するとヒユ類など広葉雑草が発生しやすい。 |
カテゴリ | かぶ 雑草 除草剤 そば 大豆 とうもろこし 土壌処理 なす 難防除雑草 播種 防除 薬剤 薬剤耐性 |