種もみの温湯消毒が1回当たり最大80kg処理できる装置

タイトル 種もみの温湯消毒が1回当たり最大80kg処理できる装置
担当機関 三重科技農研
研究課題名
研究期間 2000~2002
研究担当者 黒田克利
鈴木啓史
冨川 章
鈴村素弘(中部電力株式会社)
発行年度 2002
要約 種もみを予め予浸水槽で暖め、殺菌水槽に投入すると、殺菌に必要な温度確保が容易である。装置の1回当たりの最大温湯処理能力は80kgであり、主要な種子伝染性病害虫に防除効果が認められることから、大規模水稲育苗施設への導入が可能である。
キーワード 温湯消毒装置、大規模水稲育苗施設、最大温湯処理能力
背景・ねらい 種もみの消毒方法として温湯消毒の有効性が確かめられ、60℃前後の温湯に10分間程度浸漬する方法が示されている。既に装置が市販されているが、普及している装置の1回当たりの処理能力は8~16kgであり、一度に大量の種もみを扱うJAや育苗受託農家等の大規模な水稲育苗施設において処理能力が不足すると考えられる。そこで、種もみの大量処理が可能な温湯消毒装置を開発し、大規模水稲育苗施設においても温湯消毒を実施できることをねらいとする。
成果の内容・特徴 1.
本装置は500リットルの容積の予浸水槽、殺菌水槽、冷却水槽を備える。予浸水槽、殺菌水槽には、400リットルの温湯を電気温水器(550リットル)を2器利用し供給する。温湯の温度制御は水槽底部に取り付けたヒーター(2Kw)を熱源とし、予浸水槽に2台、殺菌水槽に4台装着する。また、温湯はポンプによって強制的に循環する(写真1)。
2.
種もみを40℃の予浸水槽に10分間浸漬後、殺菌水槽に投入する方法は、乾もみを殺菌水槽に直接投入する方法に比べ、種もみ全体の温度上昇が早い。また、本装置は殺菌水槽への種もみ投入後の温湯の温度低下と種もみ温度の上昇に要する時間から考え、1回当たりの最大処理能力は80kg(20kg×4袋)と考えられる。また、80kgの種もみを殺菌する場合、40℃の予浸水槽に10分間浸漬後、62℃の殺菌水槽に10分間浸漬すると、殺菌に必要な温度の確保が容易である(表1)。殺菌終了後は直ちに冷却水槽にて流水により冷却する。
3.
80kgの種もみを40℃の予浸水槽に10分間浸漬後、62℃の殺菌水槽に10分間浸漬する温湯消毒は、ばか苗病、もみ枯細菌病、苗立枯細菌病、イネシンガレセンチュウに対して 高い防除効果が認められる(表2)。
4.
本装置は1回当たりの処理能力から判断して、大規模水稲育苗施設に対応できる温湯消毒装置である。
成果の活用面・留意点 1.
県内の平均的な大型水稲育苗施設の出荷苗箱数は約3万箱で、播種期間は約10日間であり、1日の播種量は約600kgと推定されることから、1施設当たり本装置を1台導入すればよいと考えられる。
2.
40℃、10分間の予浸処理の発芽への影響はないと考えられる(データ有り)。採種年次の古い種子や、発芽率の低下した種子は、温湯消毒による発芽不良を起こしやすいので、発芽率の高い、塩水選済みの種子を使用する。
3.
本装置は民間との共同研究により試作した装置であり、実用化は今後の課題である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007384
カテゴリ 育苗 温湯消毒 害虫 出荷調整 水稲 播種 発芽不良 防除 もみ枯細菌病

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