タイトル | β-カロチン含量の高い機能性卵の生産 |
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担当機関 | 茨城畜セ |
研究課題名 | |
研究期間 | 1998~2001 |
研究担当者 |
永山精美(茨大) 舘野英喜 宮口右二(茨大) 小原夕子(茨大) 須藤正巳 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 付加価値の高い機能性卵を生産する方法を検討した結果、β-カロチン製剤を添加することによってβ-カロチンの卵黄中濃度が非常に高い機能性卵を作出できた。生産費から計算すると、この卵の販売価格は1個30円以上とする必要がある。 |
キーワード | 高付加価値、機能性卵、β-カロチン |
背景・ねらい | 科学的根拠に基づいてヒトの健康に効果が期待できる機能性食品に、消費者の関心が高まる一方、高価格で販売できるために生産者側でもその生産に関心が高まっている。また、本県下では、桑葉の新しい利用法が要望されている。そこで、機能性成分としてβ-カロチンに着目し、桑葉、アルファルファミール及び製剤を供給源とする機能性卵生産の可能性を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 桑葉中のβ-カロチンに注目し、桑葉を成鶏用飼料に10%添加して給与した結果、表1に示したとおりβ-カロチンの卵中への移行は認められたが、機能性を謳うには充分でなかった。また、桑葉添加により鶏糞からのアンモニア発生が抑制されたが、桑葉添加に伴う栄養成分の補正をしなかったため、桑葉添加区の産卵率は対照区より低かった。 2. β-カロチンについて、アルファルファミールを10%と、β-カロチン製剤を0.5%成 鶏用飼料に添加して給与した結果、表2に示したとおり試験28日目にはその卵黄中濃度はアルファルファミール添加区で対照区の4.5倍、製剤添加区で93倍となった。また、製剤添加区で産卵率が高く卵黄色はやや薄くなり、アルファルファミール添加区では栄養成分の補正をしなかったため、産卵率が低かった。 3. β-カロチンについて、β-カロチン製剤0.2%と製剤0.2%+大豆油2%を成鶏用飼料に添加して給与した結果、表3に示したとおり試験28日目にはその卵黄中濃度が製剤単体添加区で対照区の93倍、製剤+大豆油添加区で105倍となった。鶏卵1kg生産費は単独区で対照区の1.69倍、大豆油添加区で1.70倍となった。また、両添加区で卵黄色が薄くなる傾向が認められ、製剤添加区では産卵率が高くなった。 4. 以上の結果から、β-カロチン製剤を単体で飼料に添加することによって、高い濃度のβ-カロチンを含む機能性卵の生産が可能であり、産卵率も向上するが、卵黄色はやや薄くなることが認められた。β-カロチン製剤0.2%の添加により卵1kg生産費が無添加の場合の約1.7倍となるので、卵の販売価格も通常卵の1.7倍(30円程度)以上必要である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. β-カロチン製剤の添加は、自家配合する必要がある。あるいは、一定以上の数量がまとまれば、飼料メーカーで配合可能である。 |
カテゴリ | アルファルファ 機能性 機能性成分 桑 高付加価値 機能性食品 大豆 鶏 |
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