果樹等せん定枝堆肥のイチジク株枯病及びナシ等白紋羽病に対する安全性

タイトル 果樹等せん定枝堆肥のイチジク株枯病及びナシ等白紋羽病に対する安全性
担当機関 愛知農総試
研究課題名
研究期間 2000~2002
研究担当者 加藤晋朗
深谷雅博
発行年度 2002
要約 せん定枝の堆肥化の過程で保菌せん定枝中の株枯病菌は死滅する。また、果樹・街路樹せん定枝堆肥化物は、生せん定枝チップと比較して、園地に施用した場合の白紋羽病発生助長の可能性は低いと考えられる。
キーワード せん定枝堆肥、株枯病、白紋羽病
背景・ねらい 果樹せん定枝の焼却処分が難しくなり、他に処分方法のない農家では、生せん定枝を園地に戻す動きもでてきている。これに対して、環境保全、未利用資源の有効活用を図るため、果樹せん定枝や街路樹せん定枝を共同施設で堆肥化し、再び農地に還元するシステムが、全国に先駆けて本県で動き出している。そこで、せん定枝堆肥を果樹園に施用した場合の安全性を、本県で重要と考えられるイチジク株枯病とナシ等白紋羽病について検討する。
成果の内容・特徴 1.
イチジク株枯病罹病枝中の病原菌は、罹病枝を45℃で4日間、50~60℃で2日間維持することで死滅する(データ省略)。
2.
稲わら・畜ふん堆肥の発酵過程で株枯病罹病枝を7日間(1回目切り返し後、6月末~7月初め)埋め込んだところ、45℃以上が約6日間継続し(図1)、罹病枝中の株枯病菌は完全に死滅した(表1)。また、イチジク、ナシ、モモせん定枝を単独あるいは混合して堆肥の主材料とした場合でも、株枯病菌の死滅に十分な温度、時間が得られる(データ省略)。
3.
非殺菌畑土壌中での白紋羽病菌は、ナシせん定枝チップ施用区では、接種後1か月後に接種源から最大10cmまで進展したが、せん定枝堆肥施用区では、バーク堆肥施用区、無施用区と同様に進展が認められなかった(表2)。
4.
以上のことより、イチジク株枯病保菌枝でも、堆肥化すれば株枯病を伝搬することはないと考えられる。また、せん定枝堆肥化物は、生せん定枝チップよりも果樹園に還元することによる白紋羽病の発生助長の可能性は低く、安全性が高いと考えられる。
成果の活用面・留意点 1.
せん定枝堆肥化の全過程での45℃以上の積算日数は本試験での日数よりはるかに長い(データ省略)。また、実際には、せん定枝は本試験で用いたものよりも細かくチップ化あるいは植繊化して使うので、せん定枝中の株枯病菌は、より確実に殺菌されると考えられる。
2.
堆肥の切り返しは、全体がよく混ざり合うように丁寧に行い、全体を十分に発酵させる。また、冬期に堆肥化を行う場合には、カバーを掛けるなどして表面温度の低下を避ける。
3.
発酵が不完全で未熟有機物が残る場合は、野菜等白紋羽病の寄生しない作物に施用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007349
カテゴリ いちじく 未利用資源 もも

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