高品質イネ穀実サイレージの調整法

タイトル 高品質イネ穀実サイレージの調整法
担当機関 富山畜試
研究課題名
研究期間 1999~2002
研究担当者 丸山富美子
吉野英冶
金谷千津子
国吉誠
新山栄一
大川内康郎
粕谷健一郎
発行年度 2002
要約 収穫直後の生籾は、プラスチックドラム缶や二重内袋付きのトランスバッグに密封して、良質な穀実サイレージに調製できる。また、このサイレージの黒毛和種繁殖雌牛における澱粉消化率は、無処理の場合75%であるが、粉砕すると97%に向上する。
キーワード イネ穀実サイレージ、プラスチックドラム缶、トランスバッグ、粉砕処理
背景・ねらい 最近、イネの飼料利用はホールクロップサイレージで展開されているが、多面的な利用を進める一方策として、生籾を貯蔵する穀実サイレージが考えられる。穀実サイレージの実用的調製法は過去にトウモロコシや麦類で検討されているが、イネについては明らかではない。そこで、耕種農家から畜産農家への流通を考慮し、コンバインで収穫した籾を圃場で詰め込むことができ、運搬も可能な、プラスチックドラム缶やトランスバッグによるイネ穀実サイレージの調製について検討する。また、このサイレージを無処理で家畜に給与すると、一部が未消化で排泄されると言われることから、黒毛和種繁殖雌牛を用い、粉砕処理の消化性改善効果についても明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
200リットルのプラスチックドラム缶には142kgの生籾(完熟期)が貯蔵でき、この場合の原物密度は712kg/m3となる。また、500リットルのトランスバッグでは、250kgの生籾が貯蔵できる(表1)。
2.
プラスチックドラム缶やトランスバッグで調製したイネ穀実サイレージは、2週間から2ヶ月の貯蔵ではpHが5.5~6.4で酸の生成も少ないが、8から9ヶ月貯蔵すると、pHが低下し、乳酸が増加する。酪酸~カプロン酸含量は貯蔵期間による変化は比較的小さく、また、総窒素に占める揮発性塩基態窒素の割合(VBN/TN)は増加するものの、発酵品質の指標であるV-SCOREは94点(良)以上で、長期間の貯蔵が可能である(表2)。
3.
イネ穀実サイレージの澱粉含量は乾物中60.2%である。黒毛和種繁殖雌牛に維持エネルギー水準で給与した場合、籾の消化性を示す指標の一つとして考えられる澱粉消化率は、無処理で75%であるが、ハンマーミル方式のもみがら粉砕機での粉砕処理により97%に向上する(表3)。
4.
サイロ開封後に放置したイネ穀実サイレージの温度は、粉砕処理の有無にかかわらず3日目から上昇する。従って、開放状態で保存が可能な期間は2日程度である(図1)。
成果の活用面・留意点 1.
プラスチックドラム缶やトランスバッグを利用することにより、耕種農家でのサイレージ調製が可能となり、製品の運搬が容易となる。
2.
籾の水分が20%以下の場合には、加水により20~30%にする。
3.
トランスバッグで調製する場合、内袋は必ず二重とし、生籾の投入後、脱気を行ってから密封する。
4.
サイロの大きさは、調製したサイレージが2日程度で使い切れるものとする。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007319
カテゴリ とうもろこし 繁殖性改善

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