水稲ロングマット育苗移植技術の現地導入と効果

タイトル 水稲ロングマット育苗移植技術の現地導入と効果
担当機関 埼玉農総研
研究課題名
研究期間 1998~2002
研究担当者 重松 統
上野敏昭
石井博和
渡邉耕造
発行年度 2002
要約 ロングマット育苗移植技術の現地導入の結果、田植えまでの軽労働化と省力化が確認され、田植補助者には大変好評である。また、初期投資の必要な施設についても、育苗装置の自作など経費の削減と、多回数育苗などによりコスト低減に努めている。
キーワード 水稲、ロングマット育苗移植技術、現地導入、省力化、施設費、育苗経費
背景・ねらい 主穀作生産の担い手減少、米価低迷のなか、本県では個別大規模経営(経営主50歳代)での本技術の要望が高く、初期導入は稲・麦二毛作地帯で図られた。これは本作型で農繁期の労働競合が著しいためと考える。そこで二毛作地帯における経営導入時の成果を整理し、今後の普及拡大に活用する。
成果の内容・特徴 1.
田植えまでの総ハンドリング重量は中苗箱体系の1/5以下で、軽労働化には大きな成果がある(表1)
2.
田植えまでの作業時間は、県平均の25%に省力化されている。しかし、これは導入経営の20ha規模の中苗移植体系とほぼ同等である。この要因としては、播種・巻き取り作業では複数の作業が人間の移動によって行われていること、種子消毒が温湯消毒で低能率であること、田植と除草剤の同時施用が実施出来ないこと等である(表2、3)。
3.
育苗の経費は、資材費が約2万円/ha強で、労働費を含めた変動費合計でも箱育苗の7割程度に低減されている(表4)。
4.
初期投資が必要な育苗装置は、ベットのみ購入やすべて自作等で経費節減を図っており、育苗装置1ベンチ当たりの費用は6~8万円である。本地帯の育苗は露地育苗であるため、ハウス建設費も含めると9~12万円となる。育苗にかかる固定費を年償却費で比較すると、96ベットを要するA経営では中苗体系の約5倍、半分のB経営で2倍強となる。そのため、導入経営では水稲の多数回育苗や、水耕野菜導入を図り施設費の低減に努めている(表4)。
5.
本技術は、特に田植補助者には軽労働の面で大変好評で、省力化の面では10条1台2人体系から、6条2台2人体系への変更がみられる他、箱運搬車の不要から交通量の多い道に面したほ場、逆に交通が不便なほ場への作付けや、田植え時期の異なる農家との苗交換等の副次的導入効果も認められた。
成果の活用面・留意点 1.
本技術の現地導入にあたっては、移植実演と農家の感触の確認、次に育苗技術の体験(この段階での失敗多い)とステップを踏み、初期の育苗では本番前の試作を実施するとともに、催芽(温湯消毒)から施肥までの約1週間は技術マニュアルどおりの指導が望まれる(図1)。
2.
今後、巻き取り補助装置の開発などの省力化、田植精度向上による1ロール苗の植付面積の増加が図れれば、更に水稲の低コスト生産が可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007305
カテゴリ 育苗 温湯消毒 経営管理 種子消毒 省力化 除草剤 水稲 施肥 大規模経営 低コスト 二毛作 播種

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