イチゴ高設栽培における排液中の硝酸性窒素を除去する装置の特性比較

タイトル イチゴ高設栽培における排液中の硝酸性窒素を除去する装置の特性比較
担当機関 静岡農試
研究課題名
研究期間 1999~2001
研究担当者 河田智明
発行年度 2002
要約 イチゴ高設栽培10aの排液中の硝酸性窒素を除去するためには、1日の硝酸性窒素排出量を20gとすると、硫黄酸化菌を利用した除去装置は脱窒資材量が105kg以上、セリおよび水田表層土を利用した装置は20m2以上、水田表層土を利用した装置は85m2以上の除去装置が必要となる。
キーワード 高設栽培、排液、硝酸性窒素、硫黄酸化菌、セリ、水田表層土、除去装置
背景・ねらい 普及が進んでいるイチゴ高設栽培は掛け流し方式が主流であるが、環境汚染を防止する視点から、排液中に含まれる硝酸性窒素を除去するために、硫黄酸化菌やセリ、水田表層土を利用した3種類の除去装置についてその必要規模などの特性について検討する。
成果の内容・特徴 1.
ハウス内に設置する硫黄酸化菌を利用した除去装置(図1)は、装置に充填する脱窒資材(SC11)1kg当たり最高1日190mgの硝酸性窒素の除去が可能で、高設栽培10aの硝酸性窒素排出量を1日約20gとすると(例:排液濃度30mg/L、排液量666L/日)、脱窒資材量が105kg以上が必要となる。
2.
ハウス内に設置するセリおよび水田表層土を利用した除去装置(図2)は、セリの植栽面積1m2当たり最高1日1gの硝酸性窒素の除去が可能で、高設栽培10aの硝酸性窒素排出量を1日約20gとすると、セリの植栽面積が20m2以上が必要となる。
3.
ベッド下に設置する水田表層土を利用した除去装置(図3)は、厚さ2cmの水田表層土の面積1m2当たり最高1日235mgの硝酸性窒素の除去が可能で、高設栽培10aの硝酸性窒素排出量を1日約20gとすると、水田表層土の面積が85m2(幅17cmでベッド長500m)以上が必要となる。
成果の活用面・留意点 1.
硫黄酸化菌を利用した除去装置では、排液中には脱窒反応に必要な燐酸がある程度含まれていなければならないが,慣行の給液管理をしている限り問題にならない。また、効率的に脱窒がおこなわれるよう脱窒資材(SC11)粒子間での滞留時間を確保する必要がある。処理後の水は硫酸イオン濃度が高まるため、水田の用水等への廃棄は避ける。脱窒資材は年々目減りするため、補給が必要である。
2.
セリおよび水田表層土を利用した除去装置では、処理効率が温度に依存するため、ハウス外に設ける場合は、冬期の除去能力が低下する可能性が高い。また、セリが小さいときは除去率が低いため、早め(イチゴ定植前)に植え付けをおこなう。
3.
水田表層土を利用した除去装置では、処理効率が温度に依存するため、冬期には処理効率が低下する場合がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007175
カテゴリ いちご 栽培技術 水田 せり

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