三番茶不摘採園におけるチャ炭疽病の被害許容水準と要防除水準

タイトル 三番茶不摘採園におけるチャ炭疽病の被害許容水準と要防除水準
担当機関 静岡茶試
研究課題名
研究期間 1999~2002
研究担当者 小澤朗人
西島卓也
片井祐介
発行年度 2002
要約 三番茶不摘採園では、三番茶期における炭疽病の発生が翌年の収量に影響する。一番茶の収量調査に基づく被害許容水準は、前年三番茶芽における病葉数で約1000枚/平方mである。また、三番茶芽における防除の要否を決定するための要防除水準は、二番茶摘採面の残存病葉数で約150枚/平方mである。
キーワード 茶、炭疽病、被害解析、被害許容水準、要防除水準
背景・ねらい 静岡県内の三番茶不摘採園では、チャ炭疽病に対する殺菌剤の散布が年4~6回行われているが、本病の被害許容水準と要防除水準が明らかになっていないため、現場では暦的な薬剤散布となっている。そのため、殺菌剤が必要以上に過剰に散布されている場合が往々にしてみられる。一方、炭疽病菌には薬剤耐性を獲得しやすい性質があるが、過剰散布により、防除効果が高く主流となっているDMI剤に対する耐性菌の出現も懸念されている。そこで、三番茶不摘採園における本病の被害許容水準と要防除水準を明らかにして、殺菌剤の効率的散布のための基礎資料とする。
成果の内容・特徴 1.
一番茶及び二番茶の収量に影響する炭疽病の発生茶期は前年の三番茶期であり、前年の二番茶期及び秋芽での発病は収量に影響しない(表1)。
2.
三番茶期での発病葉数が多いほど翌年の一番茶と二番茶の収量は減少し、特に病葉数が1500枚/平方mを越えると急激に収量は減少する(図1)。
3.
前年三番茶病葉数から翌年一番茶減収率を予測する回帰式を求めた結果、翌年の一番茶収量が5%以上減少する三番茶芽の病葉数は約1100枚/平方mである。従って、本病の被害許容水準は、三番茶芽における発病葉数で約1000枚/平方mと考えられる(図2)。
4.
二番茶摘採面の残存病葉数が多いほど三番茶芽における発病葉数は多くなることから、二番茶摘採面残存病葉数から三番茶芽病葉数を予測する回帰式を求めた結果、被害許容水準である三番茶芽の発病葉数1000枚/平方mに達する二番茶摘採面の残存病葉数は160~170枚/平方mである(図3)。
5.
従って、三番茶芽に対する防除の要否を決めるための要防除水準は、二番茶摘採面の残存病葉数で約150枚/平方mと考えられる。すなわち、二番茶摘採面の残存病葉数が150枚/平方m以上であれば、三番茶芽に対して殺菌剤の散布が必要である。
成果の活用面・留意点 1.
摘採時期の早晩によって、前年の発病程度が同じであっても減収率が異なることがある。すなわち、摘採時期が遅れると前年の発病の影響がより顕著に現れる。
2.
三番茶生育期における降雨は、二番茶摘採面の残存病葉数に関わらず三番茶芽における発病を左右することがある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007174
カテゴリ 耐性菌 炭疽病 防除 薬剤 薬剤耐性

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