タイトル | スイートコーン栽培における生分解性マルチ資材利用と作業性 |
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担当機関 | 埼玉農総研 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
庄司俊彦 杉山正幸 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 生分解性マルチ資材を利用したスイートコーンの生育・収量はポリエチレンマルチと同等である。展張4週間で切断強度、伸張性が急速に低下するので、収穫後には茎葉ごとすき込みが可能となり、炎天下での回収作業を回避できる。 |
背景・ねらい | 環境保全型農業の推進や労働時間の低減から、各種生分解性プラスチック素材が市販されているが、導入にするにあたっては、個々の作物に対する利用、すき込み時の機械適用性を検討する必要がある。そこで、スイートコーン栽培について、生分解性マルチ資材の分解特性を調査し、生育・収量及びすき込み時の作業性を評価する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 生分解性マルチ資材の地温上昇特性はポリエチレンマルチとほぼ同様な日変化を示し、特にポリ乳酸系資材はポリエチレンと同等である。生分解性マルチ資材の土壌水分の保持効果はポリエチレンと比較するとやや劣る。各種生分解性マルチ資材を用いたスイートコーンの栽培は、株立率は差が無く、雌穂重および可販率もポリエチレンと同等である(表1)。 2. 各生分解性マルチ資材の引っ張り切断加重と伸張性を比べると、ポリブチレンサクシネート系資材はポリエチレンと同様な伸長性を示し、ポリカプラクトン系素材は伸長せずに強い力が加わると破断する(図1)。展張後の経時変化は、ポリエチレンは切断加重、伸びともに減少はわずかである(図1,図2)。生分解性資材は展張4週間後には切断強度や伸長性を急速に失うため、スイートコーン収穫後、直ぐにロータリー等ですき込み作業を円滑に行うことができる(図1,図2)。 3. 経済的試算はポリエチレンマルチ資材の費用が8,934円/10aでに対し、14,400円/10aで、ポリエチレンマルチの1.6倍である(表2)。労働時間はポリエチレンマルチ資材は、回収及び廃棄調整作業に時間を要するが、生分解性マルチ資材はスイートコーンの茎葉ごとほ場にすき込めるため回収作業が1人当たり約4.6h/10a削減できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 生分解性マルチ資材の経営効果については、資材経費、作業時間を基に経済性を評価したが、導入に当っての経営評価は経営規模、作付体系、雇用の有無、労働の質等を加味する必要がある。 2. 生分解性マルチの土壌すき込みには資材間に崩壊の程度(切断の大小)に差が認められるため、後作に対して資材の特性を考慮する必要がある。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007169 |
カテゴリ | 経営管理 |
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