水田種子繁殖雑草の翌年の発生数を水稲収穫期残草量から予測する

タイトル 水田種子繁殖雑草の翌年の発生数を水稲収穫期残草量から予測する
担当機関 (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 1996~2003
研究担当者 高柳 繁
発行年度 2002
要約 水田種子繁殖雑草の個体群動態モデルにおける変数とパラメータを実験的に求めておくと、除草剤を使用した圃場の水稲収穫期残存雑草の個体数、乾物重および前記パラメータから、翌年、同圃場を除草剤無使用で放置した場合の雑草発生数が予測できる。
キーワード 水田種子繁殖雑草、水稲収穫期残草量、個体群動態モデル、雑草発生数、予測
背景・ねらい 水稲作では効果的な除草剤の開発とその適正な使用によって、雑草の発生が極めて低い水準に抑えられている圃場が多数見受けられる。このような圃場では数年に一度、除草剤を使用しない年を設けることが可能と考えられるが、現実的には雑草害を危惧して除草剤無使用には踏み切れない。そこで、個々の圃場において除草剤を使用しない場合の雑草の発生を事前に予測し、予測された雑草発生数が許容限界以上であれば除草剤を使用する、許容限界以下であれば使用しないとする意志決定支援モデルのプロトタイプを策定する。
成果の内容・特徴 1.
図1は除草剤を使用した水田圃場に一部、無除草剤区を設けた場合の雑草種子と個体数の年間動態モデルである。一般の圃場では無除草剤区は設けられていないが、本モデルにおける11個のパラメータ値が全て求められていれば、n年の収穫期残草数(EPn)から同年の埋土種子数(AXn)が、収穫期残草重(EWn)から生産種子数(FXn)が導かれ、翌年の埋土種子数(AXn+1)は次式で求まる。
AXn+1=(1-i)×((1-b-h)×AXn+g×FXn)+j×(1-k)×AXn-1 -----式1
2.
従って最終目的である、翌年、除草剤を使用しなかった場合の雑草発生数(Y)は、翌年の無除草剤区定着個体数(CXn+1)に等しいので、次式から予測することができる(図2)。
Y=CXn+1=b×c×AXn+1 ----式2
3.
図1のパラメータ値を求めるには、まず複数の圃場で2年以上連続した試験を行い、図1に斜体太字で示した6個の変数を実測する。次に変数間の関係をパラメータと組み合わせた式で表し、式の最適解が得られるようなパラメータ値をシンプレックス法等のプログラムを用いて決定する(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
本手法は雑草防除意志決定支援モデルのプロトタイプである。現場に適用するためには、より単純化し使いやすいモデルとする必要がある。
2.
プロトタイプである本モデルでは、図1におけるa~kの11個のパラメータを簡単のため定数としているが、dのように土壌・気象条件、管理条件等で大きく変動する場合があるパラメータも含まれているので、モデルの次のステップでは改良する。
3.
シンプレックス法とは偏差の2乗和などをパラメータの目的関数と考え、目的関数の値を最大あるいは最小にするパラメータの値の組をコンピュータでいわば試行錯誤的に見つける方法である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007133
カテゴリ 雑草 除草剤 水田 水稲 繁殖性改善

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