水田に発生するイネ科多年生雑草の茎切片からの出芽特性

タイトル 水田に発生するイネ科多年生雑草の茎切片からの出芽特性
担当機関 (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2000~2002
研究担当者 牛木純
森田弘彦(九農研)
川名義明
発行年度 2002
要約 水田に発生するイネ科多年生雑草の繁殖源である茎切片は、湛水後代かきした土壌中に埋没させると、出芽が著しく抑制され、多くの草種は速やかに土壌中で死滅するが、ギョウギシバやチクゴスズメノヒエは、3週間程度埋没させても完全には死滅しない。茎切片が大きいほど、再生する個体の生長は早い。
キーワード イネ科多年生雑草、茎切片、湛水、出芽、節位、茎生重
背景・ねらい 近年、水田内で約10種の匍匐性イネ科多年生雑草が増加傾向にある。これらは生態的特性において共通点と相違点があるため、効果的な制御方策確立の障害となっている。イネ科多年生雑草の水田における生態的特性に基づいた効率的制御手法の確立に資するため、主要な種について、茎切片からの出芽特性を解析する。
成果の内容・特徴 1.
イネ科多年生雑草の茎切片は、土壌表面に露出した場合には出芽するが、湛水後代かきした土壌に埋没するとほとんど出芽できない。湛水後落水した場合においても、出芽率は極めて低い(図1)。サヤヌカグサ、アシカキ、ハイコヌカグサ、チゴザサの茎切片は、湛水後代かきした土壌に埋没すると速やかに死滅するが、ギョウギシバおよびチクゴスズメノヒエの茎切片は3週間以上生存している(図2)。
2.
茎切片から再生する個体の生長速度は、茎の節位によって異なる。キシュウスズメノヒエおよびチクゴスズメノヒエでは、基部付近の茎は太く、節から再生する個体の生長は早いが、アシカキおよびギョウギシバでは、基部付近の茎は細く、節から再生する個体は生長が極めて遅い(図3)。
3.
主要な種の茎切片の生重と茎から再生する個体の乾物重には正の相関が見られ、特にキシュウスズメノヒエ、チクゴスズメノヒエで高い(図4)。
成果の活用面・留意点 1.
水田内において茎切片から再生するイネ科多年生雑草の耕種的除草体系を策定する際の基礎的知見として活用する。また、イネ科多年生雑草に関する試験研究を進める上で、均一な栽培条件を設定する際に有効な情報として活用する。
2.
浅水代かきなどで茎切片を埋没させることによって、茎からの再生を抑制することができるが、湛水条件下においても茎切片が土壌表面に浮き上がる状態では出芽は可能なので留意する。春~夏期以外の時期に湛水後代かきした土壌に埋没させた茎切片の死滅については、別途確認する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007117
カテゴリ 栽培条件 雑草 除草 水田 繁殖性改善 ひえ

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