換気が容易な小規模育苗用片屋根型プラスチックハウス

タイトル 換気が容易な小規模育苗用片屋根型プラスチックハウス
担当機関 (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 長崎裕司
玉城勝彦
金井源太
野中瑞生(近中四農研)
川嶋浩樹(野茶研)
発行年度 2002
要約 開発した片屋根型プラスチックハウスは、建設足場用資材を利用し軒高を高くし、換気窓の面積を多く確保できる。換気窓は防風網の固定張りで風雨対策が行え、遮光資材の外張りと組み合わせることで、高温期のハウス内温度管理作業の省力化が図れる。
キーワード 高軒高、換気、片屋根型ハウス、高温期、育苗、省力化
背景・ねらい 野菜・花きでは購入セル成形苗の利用が増えつつあるとはいえ、自家育苗の割合が依然として高く、今後も地域に根ざした生産の多様性を支えるために必要である。一方で、小規模な自家育苗の省力・高品質化を低コストで実現するには、日本の気象条件に適合した低コストなハウスにおける簡易な環境制御技術等を開発しなくてはならない。
そこで、特に台風等による強風・豪雨および高温のため育苗が困難な夏秋期に、耐風構造を有し、換気性が良く、側窓の開閉管理が煩雑でない育苗用片屋根型プラスチックハウスを開発する。
成果の内容・特徴 1.
開発した片屋根型プラスチックハウスは、建設足場用のパイプ(直径48.6mm)と接合金具により骨組みを作る。間口は4~8mとし、軒高は低い方でも2mは確保し、高い方は施工の安全性および支柱の強度面から4mまでとし、間口が6m以上となる場合には真ん中に支柱を配置する。側面の基礎間隔は3mを基本とする(図1)。
2.
屋根面は屋根パイプ上に約1m間隔で平行に取り付けた母屋パイプ上に、直交させてフィルム留め材を0.5~1m間隔で固定し、厚さ約0.15mmのPO系フィルムの平張りで対応する。側面は4mm目合いの防風網を固定張りにし、夏秋期は側面を開放したままで省力温度管理が行える。また、側窓開放面積の床面積に対する割合が約50%と大きく、同規模の丸屋根型ハウスの同割合が約20%にとどまるのに比べ側方からの外気の取り込みが効果的に行える。
3.
施工手順は表1の通りであり、75mのハウスを2人組作業で8.5日で施工できる。資材コスト(被覆フィルム等は除く)は約1.0万円/3.3mである。
4.
強風対策は、骨組みの方づえ補強と引き抜きに強いベース付コンクリート基礎(図1)またはスパイラル基礎杭で対応する。重機が無くても容易に設置できるスパイラル基礎杭(厚さ6mm、幅50mm、長さ600mm)は、ベース付基礎の約80%の引き抜き強度を有し、本ハウスの基礎として利用できる(図2)。
5.
遮光は屋根上面に手動の巻き上げ装置で開閉する外張りで対応できる。周年利用のために巻き上げ換気窓を設ける場合には、軒高の高い方の側面は2段とし、妻面も開放できるようにするとよい。側窓開閉に自動巻き上げ装置を適用するときにはコスト面から2段換気窓の上段は手動でもよい(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
都市近郊の小区画や中山間の狭小な不整形棚田での育苗ハウスとして適用できる(図3)。積雪30~50cmの地域では、屋根傾斜20度、フィルム留め材間隔0.5mで施工することで、屋根面の滑雪を良くし、さらに加温および雪おろしを徹底する。
2.
支柱に片持ちで足場用資材を活用した育苗用ベッドを取り付けることができる。
3.
スパイラル杭を軟弱地盤および台風常襲地帯で使用する場合は、引き抜きに対する強度が極端に低下する場合があるので利用は避ける。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007098
カテゴリ 育苗 温度管理 環境制御 コスト 省力化 中山間地域 低コスト

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