トラクタ搭載式分光反射測定装置による「コシヒカリ」の生育診断

タイトル トラクタ搭載式分光反射測定装置による「コシヒカリ」の生育診断
担当機関 富山農技セ
研究課題名
研究期間 1999~2001
研究担当者 高橋 渉
尾島輝佳
野村幹雄
発行年度 2001
要約 天空地上同期測定型分光反射測定装置はトラクタに搭載して,走行しながら「コシヒカリ」の窒素吸収量の測定が可能である.また,本装置は天空光が変動する条件下においても安定した計測精度を得ることができ,「コシヒカリ」の生育診断に活用できる.
背景・ねらい 圃場の大区画化が進むなか,圃場内の生育むらに起因する収量や品質むらの発生や生育量の正確な把握ができないことによる一律的な管理で生じる収量,品質の不安定化が問題となっている.このような状況の中で,迅速かつ客観的に圃場の多地点を測定できる技術の開発が求められており,近接リモートセンシング技術もそのひとつである.
そこで,試作した天空地上同期測定型分光反射測定装置(北陸農業研究成果情報 第16号)について,移動しながらの測定,測定対象とセンサの位置関係が異なる条件での測定,および,天空光変動下での測定においても窒素吸収量を推定できることを明らかにし,自然光条件下で圃場内を迅速に診断する技術を開発する.
成果の内容・特徴
  1. 天空地上同期測定型分光反射測定装置を用いることにより最高分げつ期から幼穂形成期の窒素吸収量を診断できる(図1).
  2. 走行速度が0.29,0.50,および,0.78m/sの場合においても各波長における反射係数(群落反射輝度/天空照度)に大きな変動は認められず(データ略),停止した場合と同精度の窒素吸収量診断結果が得られる(図2).
  3. 条の真上からの測定と条間の真上からの測定は同精度の窒素吸収量診断結果が得られる(図3).
  4. 天空光が変動する条件下においても,安定光条件下と同精度の窒素吸収量診断結果が得られる(図4).
  5. 以上のことから,天空地上同期測定型分光反射測定装置により自然光条件下で迅速に安定した計測精度を得ることができ,十分生育診断が行える.
成果の活用面・留意点
  1. 最高分げつ期~幼穂形成期の「コシヒカリ」について,地力むらや生育むらのある圃場の診断や圃場内の多地点の迅速測定による圃場代表値の診断に活用できる.
  2. m2当たり穎花数を28,000粒に導くための適正窒素吸収量は最高分げつ期で3.85g/m2,幼穂形成期で4.55g/m2程度であることから,推定された窒素吸収量に基づき適正な肥培管理を行う.
  3. 太陽高度が低いと群落の反射特性が異なることから,測定は10:00~14:00に行うことが望ましい.
  4. 診断結果に基づき生育制御する場合はGPS,可変散布装置などとの連動が想定される.

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006976
カテゴリ GPS 光条件 肥培管理 リモートセンシング

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