生土容積抽出法による促成長期栽培トマトのリアルタイム診断基準値

タイトル 生土容積抽出法による促成長期栽培トマトのリアルタイム診断基準値
担当機関 神奈川農総研
研究課題名
研究期間 1996~2000
研究担当者 岡本昌広
岡本保
渡部尚久
木村覚
発行年度 2001
要約 淡色黒ボク土での促成長期栽培トマトのリアルタイム診断は、生土容積抽出法から得た土壌抽出液を用いる。土壌抽出液の診断基準値は、硝酸イオン濃度では、2月までは250~350mg L-1、3月以降は200~300mg L-1、カリウムイオン濃度では、栽培期間中20~30mg L-1維持を基準値とする。
キーワード 淡色黒ボク土、促成長期栽培トマト、リアルタイム診断、生土容積抽出法、硝酸イオン、カリウムイオン
背景・ねらい トマトの促成栽培、特に収穫が8段位を越える場合には、追肥時期の見極めが安定多収の要となる。神奈川県では黒ボク土や水田に黒ボク土を客土した施設がほとんどを占めており、従来の追肥の基準値とは土壌条件が異なっている。このため、黒ボク土壌栽培条件下での低投入多収技術を確立するため、トマト葉中や土壌の施肥反応を用いて、追肥の判断基準となるリアルタイム診断基準値を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 土壌抽出液の採取方法には、土壌を表層から15cm深まで採集し、5mmのふるいを通した生土を100mLの水に対し150mLになるまで加え、20回(1秒間に1回程度の間隔)転倒混合後、ろ紙でろ過する生土容積抽出法を用いる。
  2. 追肥量N:K2O=12.6:11.8g m-2を標準とし、20%増減して栽培試験を行ったところ、施肥量を増加していくと総収量は増加するが、可販果収量は増加せず、逆に可販果率は低下した。このため、少肥区から標準区の土壌条件、すなわち土壌抽出液中の硝酸イオン濃度を100~300mg L-1、カリウムイオン濃度を10~30mg L-1に維持する土壌条件が、安定した可販果収量を得るのに適当と考えられた(表1、図1)。一方、トマト葉搾汁液中のイオン濃度は、土壌抽出液と比較して、施肥量による明確な差が見られなかった(図1、2)。
  3. 硝酸イオン濃度は、1月から2月にかけて、1週間程度で急激に減少したため、2月までは50mg L-1程度の濃度の底上げが必要である(図1)。
  4. 現地1500m2温室を4ブロックに分けて、土壌抽出液中のイオン濃度を経時的に計測したところ、圃場の全平均値と最小値の差は、最大で硝酸イオンでは100mg L-1、カリウムイオンでは10mg L-1である。このため、圃場全体で基準値を維持するには硝酸イオンでは100mg L-1、カリウムイオンでは10mg L-1程度の濃度の底上げが必要である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本基準値は淡色黒ボク土での促成の長期多段取りの結果であり、トマトの品種は‘ハウス桃太郎’と‘ろくさんまる’で、自根と接木について適応できる。
  2. 生土の転倒混合回数はイオンの抽出量に反映するため、回数は守ること。
  3. 基準値の維持は栽培終了の1ヶ月程度前までとすること。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006959
カテゴリ 栽培条件 水田 施肥 トマト 品種

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