圧縮空気注入と潅注施肥による水田転換うめ園の樹勢回復

タイトル 圧縮空気注入と潅注施肥による水田転換うめ園の樹勢回復
担当機関 福井園試
研究課題名
研究期間 1997~2001
研究担当者 猿橋由恵
渡辺毅
冬廣吉朗
発行年度 2001
要約 水田転換園や有効土層の浅い園に植栽されているうめの弱樹勢樹では、圧縮空気の注入により、土壌の物理性が改善されて、樹勢が高まり、さらに潅注施肥との併用は、収穫後の干ばつ時の樹勢の回復にとくに有効である。
キーワード うめ、紅サシ、樹勢回復、圧縮空気注入、潅注施肥[部署]
背景・ねらい 本県の主要なうめの品種である「紅サシ」は品質はきわめて良いが、樹勢が弱く、とくに排水不良の水田転換園や有効土層の浅い園では生産性は低いのが実態である。このような園での樹勢低下の最大の要因は、根圏環境の不良に加え、収穫後の干ばつなどにより根機能が著しく低下するためであると考えられる。そこで、このような弱樹勢樹の簡易な地下部管理技術として、圧縮空気注入と液肥の潅注による樹勢回復効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 水田転換園では圧縮空気を樹冠下1m2当たり1ケ所注入することにより、耕盤の破 砕効果で土壌のち密度が小さくなり、根域の土壌水分も低下して、樹勢の回復に有効である(表1)。
  2. 圧縮空気注入と潅注施肥を組み合わせた液肥の拡散範囲は、細粒質黄色土では、地表面から約30cm、横への広がりは中心から約35cmであり、中粗粒質土壌ではさらに拡散する(データ省略)。
  3. 施肥2ヶ月後の土壌中の硝酸態窒素濃度は、圧縮空気注入と潅注施肥の併用区は慣行施肥と大差はないが、土壌の孔隙率は併用区の方が勝る(表2)。
  4. 空気注入と潅注施肥を組み合わせることにより、葉中窒素は、収穫後の土壌水分の低下等で樹勢が低下しやすい8、9月に高まることから、この併用は、干ばつ時の礼肥として表面施用よりも樹勢の維持に有効である(図1)。
  5. 樹体の生育は、潅注施肥のみでは、慣行施肥に比べて幹周の肥大や発育枝の発生本数は劣るが、空気注入と潅注施肥を併用することにより生育は旺盛になり、樹勢が高まって落葉時期も遅れ、1樹当たりの収量がかなり多くなる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 地表水が停滞する水田転換園や有効土層の浅い園に植栽されている弱樹勢樹を対象とする。
  2. 圧縮空気の注入箇所は、1m2当たり1ケ所を基準にして、細粒質土壌では多目にし、中粗粒質土壌では少な目でよい。
  3. 潅注用肥料(硝酸有機入り液状複合肥料835号)は、年4回の慣行施用時に、原液を5倍に希釈し、8~10年生樹で1樹当たり10リットルを目途に、空気注入した穴に動噴および専用ノズル(深さ20cm)を用いて潅注する。1樹当たりの年間窒素施用量は約0.6kg程度となる。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006808
カテゴリ うめ 管理技術 樹勢回復 水田 水田転換園 施肥 品種

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