飼料イネ専用収穫機の利用による冬作麦類の収穫調製

タイトル 飼料イネ専用収穫機の利用による冬作麦類の収穫調製
担当機関 三重科技セ
研究課題名
研究期間 1999~2003
研究担当者 浦川修司
吉村雄志
山本泰也
小出勇
発行年度 2001
要約 飼料イネ用ロールベーラの年間利用頻度を高めるための裏作麦類の導入において、草丈130cm以上の長稈草種は作業機械の構造から成形精度が悪く発酵品質が劣る傾向にある。その他、作業性だけでなく飼料特性、飼料イネとの作付体系等を考慮して総合的に草種を選定することが必要である。
キーワード 飼料イネ用ロールベーラ、飼料イネ、飼料用麦
背景・ねらい 飼料イネの収穫調製機械として、飼料イネ用ロールベーラと自走式ベールラッパを開発し実用段階となった。自走式ベールラッパは従来の牧草ロールベールの密封作業にも利用可能であるが、飼料イネ用ロールベーラは自脱型コンバインの刈取り・搬送部をそのまま利用していること、また予乾体系を行わないダイレクトカット方式であることから対象草種が限定される。そこで、飼料イネ用ロールベーラの年間利用頻度を高めるための飼料用麦類の導入における留意点を作業性、発酵品質、栄養価等から例示する。
成果の内容・特徴
  1. 供試した4種の麦類の乾物収量はライ小麦とライ麦は1.5t/10a、大麦と小麦は約1t/10aである。また、ライ麦の草丈は170cm以上の長稈であるため(表1)、引起こしタインの動力伝達軸を潜り抜ける時に75%以上が折損し、ロールベーラ側の搬送チェーンへ安定して受け渡すことが困難な姿勢になる(図1)。さらに穂先が折れ曲がった状態で搬送されてきた場合、ディスクカッタの切断刃の軸に巻き付くことがあり、穂先側では切断長も長く、穂先側が膨らんだ変形ロールが成形される(図1、表1)。従って飼料イネ用ロールベーラで収穫可能な草丈は130cm程度と推定され、供試した麦類の中ではライ小麦の草丈が限界草丈である。
  2. 各麦類サイレージの発酵品質は、全ての草種ともV評点で95点以上と良好であるが、ライ麦とライ小麦では穂部に白カビが認められる。これは特に長稈種のライ麦は穂先側が膨らんだロール成形となるため、梱包密度が低くなるためと考えられる(表1)。
  3. ライ麦は収量性に優れているものの、OCWが最も高く低消化性のObの値も高いため、栄養成分や嗜好性が劣るだけでなく(表2)、作業機械の適応性が悪いことから発酵状態が劣る場合があり、飼料イネ用ロールベーラでの収穫には不適である。
  4. 飼料イネ用ロールベーラはダイレクトカット方式であることから、収穫時の含水率が立毛状態で55~60%まで落ちていることが発酵品質の面から必要である。飼料麦収穫後に飼料イネを導入する場合、晩生種の麦類では飼料イネの播種期が遅れることになり(図3)、特に湛直栽培での6月以降の播種では顕著に収量が低下することから、麦収穫後に飼料イネを導入する場合、5月下旬までに播種できる飼料麦を選定する。
成果の活用面・留意点
  1. 飼料イネ専用収穫機を導入する場合、作業機械の年間利用頻度を向上させるための草種選定の資料として活用できる。
  2. 飼料イネを主作物として年間最大収量が得られるような組み合わせ草種の選定と作付体系を策定するには、作業条件の他に気象条件、圃場条件等から検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006754
カテゴリ 大麦 小麦 収穫機 飼料用作物 播種 ライ麦

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