水稲の麦間不耕起直播栽培における全量基肥施肥法

タイトル 水稲の麦間不耕起直播栽培における全量基肥施肥法
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究課題名
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 水稲不耕起直播を立毛中の小麦条間に行う場合、シイグモイド溶出型100日タイプ及び同120日タイプ被覆尿素を4:6に配合した肥料を種もみと同条施用する全量基肥体系において、小麦の品質に影響することなく、分施体系に匹敵する水稲の収量・品質を確保できる。
背景・ねらい 稲作経営体の大規模化による収益安定のために、不耕起乾田直播を取り入れた輪作方式を明らかにしてきたが、小麦後作では、水稲の播種時期が遅くなるため、安定した生育・収量確保が困難である。本県では、小麦栽培期間に水稲を播種する麦間不耕起直播栽培を検証し、安定した生産性確保の可能性を指摘してきた(平成9年度研究成果情報)。また、播種時にシグモイド溶出型(S型)100日タイプ被覆尿素を播種溝施用し、穂肥を分施する体系により、速効性肥料を用いた分施体系に比べ大幅な施肥量削減が可能なことを明らかにしてきた(平成11年度研究成果情報)。現状の分施による施肥体系を、さらに省力・省資源的な全量基肥技術へ転換させることで、より効率的な稲麦二毛作体系を組み立て、土地生産性及び収益性の向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 播種(2月下旬)時に施肥したS型100日タイプ被覆尿素は6月上旬に溶出を開始し、幼穂形成期に約80%、出穂期に当たる8月下旬に約95%の溶出率となる。一方、S型120日タイプ被覆尿素の溶出開始は7月上旬で、溶出率は幼穂形成期で約30%、出穂期で約70%となり、成熟期には90%に達する。両肥料の溶出特性から前者は分げつ確保に、後者はもみ数確保と登熟に有効である(図1)。
  2. S型100日タイプ被覆尿素の溶出開始は6月中旬の小麦収穫期に重なるが、収穫までの窒素溶出は少なく、小麦品質に悪影響を及ぼさない(表2)。
  3. S型100及び120日タイプ被覆尿素を4:6に配合した肥料を種もみ播種同時同条施用する全量基肥体系において、分施体系(S型100日タイプ被覆尿素+穂肥2回)に匹敵する収量を確保できる(表1)。
  4. 4:6配合肥料を用いることにより分施法並の粒厚を確保し、外観品質を低下させない。また、食味に関連する玄米窒素濃度を高めない(図2、表1)。
  5. 4:6配合肥料の窒素施肥効率は分施法に比較して高く、代かき移植に比較して漏水の多い本体系において有効である。また、水稲収穫期以降の肥料残存は少なく、環境に対する影響も小さい(図1、表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 播種にはV字溝播種施肥同時方式の愛知式不耕起播種機を用い、対応品種は縞葉枯病抵抗性を持つ「葵の風」・「大地の風」・「あいちのかおりSBL」等、中生品種とする。
  2. 施肥量は地力に応じ決定するが、10~12kgN/10a程度でよい。
  3. 本施肥法は窒素単肥が前提となるため、りん酸及び加里不足ほ場では、麦作前にこれら成分を含む土壌改良資材を別途施用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006695
カテゴリ 乾田直播 経営管理 小麦 縞葉枯病 直播栽培 水稲 施肥 大規模化 抵抗性 土壌改良 二毛作 播種 品種 良食味 輪作

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