日本なし「幸水」の摘らいによる樹勢回復

タイトル 日本なし「幸水」の摘らいによる樹勢回復
担当機関 埼玉県農林総合研究センター
研究課題名
研究期間 2000~2002
研究担当者
発行年度 2000
要約 日本なし 「幸水」は高樹齢化によって樹勢低下が目立ってきているが、摘らいによって短果枝の展葉数が増加し、新梢の発生も多くなり樹勢回復に有効である。果実肥大は促進され、小玉果が減少し収益性が向上する。
背景・ねらい なし「幸水」は導入されて30年以上が経過し高樹齢化による収量の低下が目立ち始めている。収量を上げるために多肥栽培になる傾向も見られているが、必ずしも効果があがっていない。そこで、樹勢を回復させ安定生産を図るための対策として摘らいについて検討し、有効性を明らかにしようとする。
成果の内容・特徴
  1. 開花前に摘らいを実施する。長果枝は下芽、中果枝は先端以外、短果枝は弱小なものについて除去し、樹全体では花数が概ね半分になるようにする。
  2. 摘らいをすると短果枝の陰芽から展葉し、葉数が減少しやすい3年枝でも無処理に比べて30%展葉数が増加した。側枝更新に有効な主枝・亜主枝上から発生した基部の太さ9mm以上の新梢の本数が摘らいによって無処理の1.6倍になった(表1、図1)。
  3. 収穫開始時に果実の縦横径から果重を推定したところ、摘らいをした場合は平均果重が15~18%増加した。果実の規格別割合では無処理ではS未満が21~23%であったのに対し、摘らいをすると2~4%となり、小玉果の割合が減少した。S以上の果実を収量とみなすと、摘らいによって34~54%の増収効果があった(表2)。
  4. 摘らいを実施すると受粉や摘果作業が減少するため、総合的には10aあたりで7時間程度作業時間が増加する。摘らいによって展葉数や新梢発生本数が増加するなど樹勢が回復し、果実肥大が促進され、出荷可能なS以上の収量が増加した。販売価格300円/kgとして算出すると10aあたりでは22~33万円の増収になり、摘らいに要する経費(1000円×7時間)を考慮しても収益の向上が図れた。
成果の活用面・留意点
  1. 高樹齢により展葉数や不定芽新梢の発生が少なくなった園に有効である。高樹齢以外でも樹勢の低下した園に有効である。
  2. 短果枝は葉芽を持たない場合が多いので、花そう全体を除去する。せん定時に芽(鱗片部分)を除去すると摘らいと同様の効果があり、作業を分散させることができる。
  3. 長果枝の下芽は葉を残して摘らいするので、開花直前に実施する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006573
カテゴリ 出荷調整 樹勢回復 受粉 日本なし

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