牛の尿量および尿中諸成分量を推定するインデックスとしてのクレアチニンの有効性

タイトル 牛の尿量および尿中諸成分量を推定するインデックスとしてのクレアチニンの有効性
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究課題名
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 乳牛の体重1kg当たり尿中クレアチニン排泄量は、飼養条件や個体に関わらず一定であり、尿中クレアチニン濃度は尿中諸成分濃度との相関も高いことから、クレアチニンは尿量および尿中諸成分量推定のためのインデックスとして利用できる。
背景・ねらい 家畜栄養研究の推進や畜産環境問題対策を検討する上で尿を完全に採取する出納試験の実施が重要であるが、専用施設が必要であったり、労力負担が大きいことから、より簡便な測定法であるインデックス法の開発が望まれる。クレアチニンは体重当たり一定量が尿中に排泄されると言われることから、尿量、尿中窒素排泄量、尿中アラントイン排泄量推定のためのインデックスとして尿中クレアチニンを活用することを検討した。
成果の内容・特徴 予備期7日、本試験期3日を1期とする全糞尿採取による窒素出納試験を7回実施した。1回の供試牛は腎機能正常な非妊娠乾乳牛2頭で、1~4期はA、B牛、5~7期はC、D牛を用いた。7回のうち3回は、午前9時から4時間おきに1日6回、計18回スポット尿として採取し、他は午前9時に1日分を採取することとして行い、以下の成果を得た。
  1. スポット尿を採取した3回の試験では、可消化養分総量含量の低下に伴い、摂取窒素量に対する尿中窒素割合が増加し、尿中アラントイン割合が減少する傾向が認められた(表1)。
  2. 尿量および尿中成分(クレアチニン、窒素およびアラントイン)濃度は時間帯による有意差はないものの、夜間に高く、昼間に低い傾向が認められた(図1)。
  3. 試験期、個体別のクレアチニン濃度に対する窒素、アラントイン濃度の相関は、それぞれ0.70~0.92、0.58~0.99であり、回帰式は窒素については原点を通るとみなされるが、アラントインは相関は高いものの必ずしも原点を通るとみなせない(一例を図2)。
  4. 1日の体重1kg当たり尿中クレアチニン量は飼料や牛個体による差はなく一定して排泄され、その平均値は24.2mg/体重kg・日であった(図3)。
  5. 尿中成分量はスポット尿を用い、((24.2mg×体重)/クレアチニン濃度)×窒素(またはアラントイン)濃度で推定でき、窒素量についてはその精度は高く、アラントインはやや精度が劣るものの有用な情報が得られる。尿量については日内変動を考慮し、1日朝、夕2回以上のサンプリングを行うことで推定が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 簡易な出納試験法としてだけでなく、農家レベルでの栄養診断等に活用が可能である。
  2. 泌乳牛レベルでの検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006537
カテゴリ 栄養診断 乳牛

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