豚凍結胚移植における受胎率向上技術

タイトル 豚凍結胚移植における受胎率向上技術
担当機関 埼玉県畜産センター
研究課題名
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 1頭の供胚豚から1回に採取された胚を1ロットとした場合、凍結・融解した拡張胚盤胞2個の体外培養成績と残りの凍結胚の移植後の受胎成績が高い関連性を有することが明らかとなった。このことを応用することにより、凍結保存してある豚胚の移植後の成績を推定することができ、豚胚の効率的な保存・利用が可能となる。
背景・ねらい 豚受精卵(胚)移植の応用には、胚の長期保存技術の確立が必要である。しかし、豚凍結保存胚の移植による受胎・分娩例は少ないことから、凍結胚の体外培養成績と移植した凍結胚の受胎成績との関連は不明確な点が多い。そこで、1頭の供胚豚から1回に採取された胚を1ロットとし、体外培養で得られた耐凍性の評価と移植した凍結胚の受胎成績との関連について調べた。
成果の内容・特徴
  1. 耐凍性の推定方法
    1頭の供胚豚から1回に得た胚を1ロットとし、拡張胚盤胞2個(直径240μm以上:サンプル胚)と残りの移植用の胚とに分けて別々に凍結保存した(6日目の拡張胚盤胞及び脱出胚盤胞)。胚の凍結は緩速凍結法により行い(-7℃→-30℃:0.4℃/分)、凍結媒液には鶏卵黄を10%添加した20%牛胎仔血清加PBSに、10%の割合でエチレングリコールを添加した溶液を用いた。次に、サンプル胚を39℃温水中で融解して48時間体外培養後(培養液:20%牛胎仔血清加m-KRB液(BSA10mg/ml),38.5℃,5%炭酸ガス気相下)、脱出胚盤胞に発育した胚の割合により、耐凍性が「高い」(2個中2個発育)、「やや低い」(1個のみ発育)、「低い」(2個とも発育しない)に分類した。
  2. 凍結胚の移植と受胎率
    耐凍性の分類後、残りの凍結保存胚をロットごとに受胚豚に移植して受胎率を調べた。その結果、耐凍性が「高い」と推定された胚を移植した9頭中7頭が受胎した(受胎率77.8%)。また、耐凍性が「やや低い」と推定された胚では9頭中2頭が受胎(受胎率22.2%)、「低い」では13頭中受胎例は得られなかった(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本方法で、耐凍性が「高い」と推定された豚凍結胚を選択して移植することにより、受胎率の向上が図れ、産子の獲得が確実になる。
  2. 本方法を応用した豚胚の凍結保存により、貴重な遺伝資源の効率的保存が可能となる。
  3. 移植胚数に対して産子へ発育した率が15.4%と低いことから、凍結・融解方法などの検討が必要である。
  4. 凍結保存には、6日目に採取した透明帯を脱出する前後の拡張胚盤胞及び脱出胚盤胞を用いた。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006287
カテゴリ 遺伝資源 受胎率向上 長期保存・貯蔵

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