土壌pHの調整によるコウライシバ葉腐病(ラージパッチ)の制御

タイトル 土壌pHの調整によるコウライシバ葉腐病(ラージパッチ)の制御
担当機関 千葉県農業試験場
研究課題名
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
背景・ねらい 農薬によらない芝草の管理技術のひとつとして、病害が発生しにくい条件に土壌環境を調整する手法がある。これまでに、コウライシバのカーブラリア葉枯病が生理的酸性肥料の施用によって軽減されること、その効果は施肥後に土壌表層のpHが5.0近くまで低下することと関係があることが報告されている。今回は、ゴルフ場のフェアウェイやラフで発生し、重要病害になっているコウライシバ葉腐病(俗称:ラージパッチ)を対象に、土壌pHの調整による被害軽減効果について明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. コウライシバに、土壌表層(芝の地際から深さ1cmまでの層)のpH(H2O)が3~8となるように硫黄および消石灰を施用して試験区を設定した(表1)。pH3区、pH4区、pH5区の資材合計施用量は硫黄粉末換算でそれぞれ1平方メートルあたり96、62、38gであった。
  2. 葉腐病斑は接種後徐々に拡大したが、設定pHが高くなるほど発病が激しくなる傾向が明確であったのに対し、pH3区、pH4区では接種部分からほとんど進展しなかった(図1)。pH3区では硫黄による酸性障害と考えられる葉の褐変や枯死がみられ、pH4区でもわずかな葉の黄化が認められた。設定pH5以上の区では、生育に処理間差はなかった。
  3. 土壌表層(0~1cm)のpHは、9月以降は概ね設定pHに近い推移を示した。8月30日の硫黄施用後、約1か月後までpHの低下が認められた(図2)。
  4. 土壌表層pHの測定値とそのときの葉腐病発病程度の関係から、pHが5以下になると病害被害度が軽減することが明らかであった(図3)。
  5. 以上の結果から、コウライシバ葉腐病の発病は土壌表層pHの影響を大きく受け、pHが高いほど被害が激しくなり、pH5以下では顕著に発病が抑制されること、土壌pHの低下には硫黄粉末が有効であることが明らかとなった。
成果の活用面・留意点
  1. pHの調整は、発病に大きく関わる地表から深さ1cmまでの土壌について行う。
  2. 土壌pHが4以下になると葉の褐変や黄化症状が発生するため、硫黄の施用量に注意し、施用後1ヶ月程度pHの低下を確認する。また、散布むらを生じないように作業精度に留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006176
カテゴリ 黄化症状 管理技術 施肥 土壌環境 農薬

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