日本なし花粉採取専用樹の超低樹高仕立てによる花粉採取の効率化

タイトル 日本なし花粉採取専用樹の超低樹高仕立てによる花粉採取の効率化
担当機関 千葉県農業試験場
研究課題名
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 H型整枝および一文字整枝は、樹形の完成が遅いが、1樹当たり花粉採取量が多く、花粉採取量に対する切り枝採取時間も短いので花粉採取専用樹に最適である。開心自然形は、早期から安定的に花粉を採取するのに有効な仕立て法である。
背景・ねらい 日本なしでは、結実の安定化と秀品果率の向上に人工受粉が不可欠である。必要とする
花粉は個別の農家で果実生産用の樹の一部を使用したり、樹高が高く一定の仕立て法によらない樹から採取しており、安定的に効率よく採取する技術は確立されていない。花粉採取は、受粉、摘らい、摘花などと作業が競合し、かつ短期間に行う必要がある。そこで、現在の普及品種と交雑和合性の高い「長十郎」を用い、各種の超低樹高な仕立て法を検討し、花粉採取の効率化を目指す。
成果の内容・特徴
  1. 各樹形とも地上1m前後で枝切りできるように仕立てる。そのため、切り枝採取後の樹高を70~90cmに止める。
  2. H型整枝は、 1.5m×7mに植栽するが、樹形の完成が遅く、切り枝の採取は6年生以後になる。調査後期2年は、1樹当たりの1年生枝数、えき花芽数が最も多いことから生花粉採取量も極めて多い(表1、表2)。さらに、切り枝の採取は、直線的に行えるので作業時間も一文字整枝に次いで短く能率的な樹形である(表3)。
  3. 一文字整枝は、1m×7mの植栽とし、4年生から切り枝を採取できるが、H型整枝に次いで樹形の完成は遅い。調査後期2年は、H型整枝に次いで1樹当たりえき花芽数、生花粉採取量が多く(表1、表2)、切り枝採取能率は最も高い樹形である(表3)。
  4. 開心自然形は、2m×2mに植栽するが、樹形の完成が早く、4年生から8年生までの1年生枝数が最も多い(表1)。調査後期2年の1樹当たりえき花芽数、生花粉採取量は、H型整枝、一文字整枝に比べて少ないが、早期から安定して確保できる。樹冠占有面積当たりの生花粉採取量は最も多く、小面積の圃場で、植え付け後早期から花粉を採取するのに適した樹形である(表1、表2)。
  5. 主幹形は、1m×1mに植栽するが、他の樹形に比べて、1樹当たり1年生枝数、えき花芽数、および生花粉採取量が少ない(表1、表2)。切り枝採取能率も低い樹形である(表3)。
  6. 圃場10a当たりの花粉採取専用樹数は、生花粉使用量を6gとして、8、9年生の花粉採取量から算出すると、H型整枝1.2本、一文字整枝2.1本、開心自然形2.6本となる。
成果の活用面・留意点
  1. より多数の1年生枝の発生を促すためH型整枝では主枝、亜主枝の側面に芽傷を入れる。また、主幹付近の主枝(H型整枝では主枝付近の亜主枝)の直上は、芽欠きなどにより新梢を発生させない。
  2. 花粉採取専用樹は、必要な樹数を列植し、切り枝採取の能率向上を図る。また、棚および網を設ける必要はない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010006024
カテゴリ 受粉 低樹高 日本なし 品種

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