タイトル |
産業用無人ヘリコプターによる水稲湛水表面散播直播栽培体系 |
担当機関 |
長野県農事試験場 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
湛水表面散播直播栽培において産業用無人ヘリコプターを利用して、播種、溝切り、初期除草剤散布、病害虫防除液剤散布、倒伏軽減剤散布を行う省力的な一貫体系を確立した。
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背景・ねらい |
水稲の省力・低コスト生産のため、長野県では1991年から産業用無人ヘリコプター(以下RCヘリ)利用の直播試験事業を実施した。この結果、県下数地域でRCヘリが導入され、実用栽培が開始された。このため、RCヘリを一貫体系で有効に利用し、かつ、直播を安定した技術とする栽培体系を構築する。
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成果の内容・特徴 |
- 浸種鳩胸程度に催芽し、カルパーコーティングした種子を散粒器を搭載したRCヘリ(Y社:R-50)によって、湛水代かき後落水した水田の深さ5~10mmに散播する。
- 播種法は5m間隔の隣接往復散布(ほ場の長辺に沿って端から行き帰り散布)とし、高度は3~5m、速度は毎時20~25kmとする。
- 播種量は、倒伏を防ぎ,収量・品質が安定する出芽数をm2当たり80~100本と設定し、乾籾重量で10a当たり2.8~3.0kgとする。
- 播種後は落水状態を出芽ぞろい期(播種後7日程度)まで継続し、出芽を促進する。
- 落水出芽の徹底のため、播種の翌日にはRCヘリ専用に開発された錘を牽引し排水溝を設置する(図2)。2及び3の実施により、90%程度の安定出芽が得られる。
- 除草対策として、出芽ぞろい期には入水し、RCヘリ(散粒機搭載)を用いて初期除草剤(TH-913-1kg粒剤またはNC311-1kg粒剤)が散布できる。初期除草剤の効果が完全でない場合は中期剤または生育期処理剤の地上散布との体系防除とする。
- 病害虫防除液剤、また、コシヒカリを栽培する場合は倒伏軽減剤KUH833フロアブルがRCヘリ(ブームスプレーヤー搭載)で散布できる(図3)。散布法は隣接往復散布とする。
- 倒伏防止のため、水稲の葉数6~8葉期に中干しを1週間ほど確実に行う。
- 施肥は緩効性肥料を利用した全量基肥栽培が省力的である。
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成果の活用面・留意点 |
- 本技術の適応土壌は特に限定しないが、直播栽培適地は標高は700mまである。
- RCヘリ散布に対する農薬取締法第2条の登録のない除草剤・植調剤は使用できない。
- RCヘリは電波管理上100m以上遠位の遠隔操作はできない。
- RCヘリ1機当たりの日稼働面積は、5ha程度を目安とする(Y社:R-50)。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010005642 |
カテゴリ |
遠隔操作
栽培体系
直播栽培
除草
除草剤
水田
水稲
施肥
低コスト
農薬
播種
病害虫防除
防除
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