タイトル |
簡便なソルガムサイレージの嗜好性評価法の開発とソルガム育種への利用 |
担当機関 |
長野県畜産試験場 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ソルガムサイレージの嗜好性を簡便に評価するために、評価の基準となる標準品種系統を選定することと、嗅覚による牛の鋭敏な選択行動を観察することで、一対比較法による嗜好性試験の簡易化を図り、ソルガム育種への利用を試みた。
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背景・ねらい |
飼料用ソルガムの育種では、毎年3千を越える系統が展開され、評価の対象とされる。これら系統の嗜好性を選抜情報として利用するために、嗜好性試験に要する試料・労力・時間の軽減と、年次を越えて再現性を持つ評価方法が必要になった。多数の育成系統の予備評価を行うために、嗜好性試験の簡易化と育種への利用の可能性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- "FX-3A-5"、"スズホ"、"Sugar graze"、"風立"および"天高"の5品種系統を嗜好性評価のための標準(ものさし)とした。これらから調製したサイレージの間には、"FX-3A-5">"スズホ">"Sugar graze">"風立">"天高"の嗜好差が存在する。複数の牛(嗜好性試験のパネル)は、これらの違いを何らかの共通性をもって認識し、その順位には年次を越えて再現性がある。
- 嗜好性(選択性)の評価は、少量のサイレージ(1kg)を用いて、採食開始から終了に至る牛の採食行動を観察する一対比較法(5点法)で行った(図1、表1)。標準に対する試料の選択性を順次評価して、標準に対する試料の嗜好位置を決定した(図2)。嗜好性の評価は平均嗜好度(評点和/試料数/パネル数)で行った。
- 子実型からソルゴー型ソルガムおよびスーダングラスからなる育種素材や育成系統を含む105点のソルガムサイレージを評価した結果、パネルに特徴的な忌避行動を誘起するものから、トウモロコシサイレージを上回る選択性を示すものまでが認められた。
- 嗜好性評価のための標準と牛の嗅覚による選択行動を利用する本法は、変位が大きいソルガムを対象とし、サイレージの形態で評価したことで有効だったと考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- ソルガム育種における多数の品種系統の評価や、採食性によって給与限界を考慮する肉用牛の飼料設計に利用する。
- 嗜好差が小さい組合せでは、選択行動に「空腹時の混乱」と「食い飽きによる混乱」が観察される(図3)。試験の開始前に少量の飼料を給与して牛を落ち着かせ、飽食の結果1頭でも採食意欲を減じた時点で当日の試験は終了する。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010005393 |
カテゴリ |
育種
飼料設計
飼料用作物
ソルガム
トウモロコシサイレージ
肉牛
評価法
品種
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