水稲育苗期における種子消毒剤または床土混和剤による根上り発生の簡易検定法とその回避策

タイトル 水稲育苗期における種子消毒剤または床土混和剤による根上り発生の簡易検定法とその回避策
担当機関 長野県農事試験場
研究課題名
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 病害防除のための種子消毒剤、床土混和剤による水稲育苗期の根上り発生程度の簡易検定法を開発した。また、播種後から出芽初期まで深水管理を行い土壌水分を維持することで根上りを回避できた。
背景・ねらい ポット育苗、型枠条播育苗では病害防除のための種子消毒剤、土壌混和剤の種類により根上りが起きやすくなるため、使用できる薬剤に制限がある。長野県ではこの育苗方式が高冷地を中心に約2,000haで普及しているが、根上りの起きやすいEBI剤が使用できないためイネばか苗病の常発地も多い。また、これら地域には採種圃も含まれるため健全種子生産の面からも問題となっている。
そこで薬剤の根上り程度を把握する検定法と、根上り回避技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 根上り検定法
    1)1/10大の型枠条播育苗箱を用いた小型苗床法は4回試験を繰り返した結果、種子消毒剤間で根上り率の逆転はなく、各薬剤の根上り程度の評価が可能である(表1)。
    2)ガラス管による簡易検定法は小規模なため試験により発生程度の変動が大きい傾向が見られるが、各薬剤の根上り程度の傾向は把握することができ、簡便で諸条件の制御が容易である(表1)。
    3)チウラム・ベノミル水和剤程度の根上りはポット育苗・型枠条播育苗においても問題とならないため、本剤を基準とする。
  2. 根上り回避法
    1)根上りの発生を助長する要因は、土壌の水分不足、高温、床土の固詰め、厚播きである(表2)。
    2)ガラス管簡易検定法により播種後4日以上深水管理をした区では、根上りの発生しやすい薬剤を使用した場合でも根上りが顕著に低下した(図2)。このことから出芽初期まで育苗箱の底面程度に水位を維持する深水管理を行い、土壌水分を保つことにより、根上りを回避できる。
成果の活用面・留意点
  1. 根上り程度の低い薬剤を使用した場合でも、土壌の水分不足、床土の固詰め、高温、厚播きにより根上りが生じることがある。
  2. 出芽初期まで行う深水管理が苗の生育等に及ぼす影響については今後の課題である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010005256
カテゴリ 育苗 簡易検定法 種子消毒 水稲 播種 防除 水管理 薬剤

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