タイトル |
飼料用トウモロコシ熟期予測モデルの作成 |
担当機関 |
茨城県畜産試験場 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
飼料用トウモロコシの4品種について,日平均気温の6℃以上を積算した有効積算温度を用い,絹糸抽出期と黄熟期の予測が可能となるモデル式を得た。
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背景・ねらい |
飼料用トウモロコシの的確な作付け計画や栽培収穫作業計画をたてるためには,熟期を予測することが必要である。そこで,早晩性が大きく異なる4品種について絹糸抽出期と黄熟期の予測モデルを作成する。
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成果の内容・特徴 |
- 対象品種はP3732(RM107),タカネミドリ(RM117),DK789(RM125),P3160(RM130)である。
- 播種から絹糸抽出期までの有効積算温度は,基準温度を6℃または7℃としたとき各播種時期ごとの変動係数が最も少なかった。(表1)また,絹糸抽出期以降の有効積算温度と雌穂乾物率との相関係数も6℃または7℃以上の有効温度のとき最も大きかった(表2)。したがって,トウモロコシの生育ステージの進行における最適な有効温度は6~7℃以上と判断した。
- 絹糸抽出期を予測するために、1988年から1994年の毎年3期に播種して得たデータについて絹糸抽出機までの6℃以上の有効積算温度を求め,その平均値をもって各品種の絹糸抽出期とした。播種から絹糸抽出期までに要する有効積算温度はP3732が1016℃,タカネミドリが1086℃,DK789が1139℃,P3160が1180℃と推定された。
- 黄熟期を観察により決定することは一般に困難なことが多いので,雌穂乾物率が50%になる時点を黄熟期とし、絹糸抽出期以降の有効積算温度と雌穂乾物率の一次回帰式を求めた。6℃以上の有効積算温度をもとにした一次回帰式は,全品種のデータを併合して求めた統一の回帰式y=0.0651x+6.6591(y:雌穂乾物率,x:有効積算温度)を使用しても実用上差し支えない。この式によって求めた雌穂乾物率50%時の絹糸抽出期からの有効積算温度666℃に達した日をすべての品種の黄熟期予測日とする。
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成果の活用面・留意点 |
- 本モデル作成には冷害年の1993年と高温年の1994年のデータも含まれているので,ほとんどの気象条件下での絹糸抽出期と黄熟期の予測が可能と考えられる。
- 有効積算温度の基準温度を6℃にすると、気象変動の影響が少なくなる。
- 本成果以外の品種の熟期予測は,予測可能な品種のRMと比較してスライドさせる。
- 本モデルは農業改良普及センター等で有効に活用できる。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010005120 |
カテゴリ |
飼料用作物
凍害
とうもろこし
播種
品種
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