水稲普通期栽培におけるキヌヒカリ・栃木2号の乳苗移植・湛水直播の作期の晩限

タイトル 水稲普通期栽培におけるキヌヒカリ・栃木2号の乳苗移植・湛水直播の作期の晩限
担当機関 栃木県農業試験場
研究課題名
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 水稲普通期栽培においてキヌヒカリを用いた場合、栃木県中部では乳苗移植・湛水直播とも6月10日、県南部では6月20日、栃木2号を用いた場合は県中部では乳苗移植・湛水直播とも6月20日、県南部では乳苗移植で6月30日、湛水直播で6月25日が移植・播種時期の晩限とノンパラメトリック法により推定された。
背景・ねらい 稲作の生産性向上が望まれる中で、乳苗移植・直播等の省力化技術が稲・麦二毛作地帯の水稲普通期栽培でも導入・普及される可能性がある。しかし水稲普通期栽培において、乳苗移植・直播のように生育期間が長い栽培様式は、出穂の遅れによる登熟低下、減収を招くことが予測される。そこで、栃木県における水稲普通期栽培の代表的品種キヌヒカリ、栃木2号を用い、乳苗移植・湛水直播の作期(移植・播種時期)の晩限について検討した。
成果の内容・特徴
  1. キヌヒカリは慣行の 3.1葉苗移植に比べ、乳苗移植で3~4日、湛水直播で6~9日出穂期が遅れる。また移植・播種時期が10日遅くなると4~7日出穂期が遅れ、特に直播の遅れの程度が大きく、6月30日播種では成熟期に至らなかった。(表1)
  2. 栃木2号では慣行に比べ、乳苗移植で3~4日、湛水直播で7~8日出穂期が遅れる。また移植・播種時期が10日遅くなると5~6日出穂期が遅れる。なお、栃木2号はいずれの栽培様式、移植・播種時期においても、キヌヒカリより出穂期が1~3日早く、普通期晩植栽培に適する品種といえる。(表2)
  3. 出穂期と収量の関係をみると、8月中の出穂であればキヌヒカリで 550kg/10a以上、栃木2号で 500kg/10a以上の収量(早植の2割減程度)を確保できるが、9月に入ってからの出穂になると収量性は極端に低くなる(図1)。また、出穂期と登熟度(登熟歩合×千粒重)との関係では、8月25日を過ぎると登熟度が徐々に低下する(図2)。これらのことから、栃木県中部の安全出穂晩限は8月25日、限界出穂晩限は8月31日と推定され、これは従来の試験成績と同様の結果であり、県南部については登熟期間の温度、降霜時期等から、これより5日遅い時期が晩限と推察される。
  4. 今回の試験データからノンパラメトリック法により品種、地域、栽培様式、移植・播種時期別に出穂期を予測した。乳苗移植・湛水直播の移植・播種晩限を平温年(平年気温年)での出穂期が安全出穂晩限程度、低温年での出穂期が限界出穂晩限程度と想定すると、キヌヒカリを用いた場合、栃木県中部では乳苗移植・湛水直播とも6月10日、県南部では6月20日が移植・播種時期の晩限と推定される。栃木2号を用いた場合は、県中部では乳苗移植・湛水直播とも6月20日、県南部では乳苗移植で6月30日、湛水直播で6月25日頃が移植・播種時期の晩限と推定された。(表2)
成果の活用面・留意点 栃木県中南部の水稲普通期栽培において乳苗移植・湛水直播を導入する際に、前作・後作等を考慮し、作業計画立案の中で活用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010005035
カテゴリ 省力化 水稲 二毛作 播種 品種

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