マメ科カバークロップ作付け後の不耕起栽培による土壌・水管理技術

タイトル マメ科カバークロップ作付け後の不耕起栽培による土壌・水管理技術
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 Robert Zougmore (ブルキナファソ農業環境研究所)
Roland Issaka(ガーナ土壌研究所)
干川明(JIRCAS)
南雲不二男
発行年度 2006
要約  マメ科のムクナやヘアリーベッチをカバークロップとして作付けし、マルチとして利用するソルガムやトウモロコシの不耕起栽培は、降雨の表面流出と土壌侵食の低減、雑草発生の抑制など、土壌・水管理に有効であり、増収効果の利点も有する。
背景・ねらい
 土壌肥沃度の低い熱帯・亜熱帯開発途上地域の低肥料投入型農業では、土壌侵食は土壌肥沃度を一層低下させる深刻な問題である。また、降水量の不足しがちな地域での作物栽培では、降雨の表面流出が土壌中への浸透を減らし、水不足に拍車をかけている場合が多い。こうした降雨の表面流出、土壌侵食および土壌の低肥沃度化などの問題を解決するために、マメ科のムクナ(Mucuna pruriens) やヘアリーベッチ(Vicia villosa) をカバークロップとして作付け、その後マルチとして利用する不耕起栽培の効果を総合的に評価する。
成果の内容・特徴
  1. ムクナ作付け後に不耕起処理をした場合、土壌侵食量は自然休閑後の耕起栽培(慣行法)の4~5%に減少する(傾斜5度の場合)。一方、ムクナ作付け後の耕起処理では、土壌侵食量は慣行法の約35%に減少するが、その低減効果は不耕起処理より低い(図1)。
  2. ムクナ作付け後の不耕起処理は、自然休閑後やムクナ作付け後の耕起処理より、降雨の表面流出を抑制する。表面流出の低下に相当する水量は下方浸透として排水される(表1)。
  3. ムクナ、ヘアリーベッチ作付け後の不耕起処理では、その残さのマルチ効果のために、雑草発生量が少ない(図2)。従来、低投入型農業における不耕起栽培導入の制約要因として、除草剤の必要性があげられてきたが、カバークロップと不耕起栽培を組み合わせることにより、除草剤を利用しなくともソルガム、トウモロコシ等の主要作物の栽培が可能である。
  4. 耕起の有無にかかわらず、カバークロップ作付け後では、標準窒素施肥量の半量でも、自然休閑後の標準施肥より増収効果がみられ、無施肥でも同等以上の収量が得られる(図3、図4)。

成果の活用面・留意点
  1. ムクナ作付けの場合には作物を刈り払ってから後作を開始するのに対し、ヘアリーベッチは、亜熱帯地域の春先の高温(30℃以上)で自然枯死するこので、刈り払うことなく後作の栽培が可能である。
  2. 降水量の少ない地域では、表面流出水の低減が土壌貯留水の増大をもたらし、水分不足を緩和することが期待される。
  3. 異なる土壌タイプの場合やその他のマメ科作物を利用する作付け体系についてはさらに検討を要する。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004949
カテゴリ 亜熱帯 雑草 除草剤 施肥 ソルガム とうもろこし 不耕起栽培 水管理

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